シャットダウンのサイン(背側迷走神経優位)

クライアントから「どのくらいしんどくなったら治療に来た方がいい?」というお尋ねがありました。「風呂に入るのがめんどくさくなったとき」と「それなのにいつまでもスマホ見てるとき」という答えがヒットしたみたいで「それわかるわ」と仰ってお帰りになりました。
「風呂に入るのが面倒くさい」というのは「風呂キャンセル界隈」という新語になってすでに定着しています。入浴は清潔のためだけではなくリラックスのための行為であるわけですよね。温泉旅行なんてのを考えてみれば少なくとも日本人にとっては入浴はリラクゼーションのひとつであるわけですよ。風呂に入るのもしんどいくらい疲れているのなら早く寝ればいいものをいつまでもスマホを眺めていることとあわせて、「リラックスすることを心身が拒否している」状態と考えることができると思います。
到底かなわない敵(に比肩するくらいの強烈なストレス)に遭遇すると生き物は「凍りつく」。心身をシャットダウンして動けなくなってしまいます。このときに優位になるのが背側迷走神経系です。それで、この背側迷走神経系は、リラックスするときに優位になる腹側迷走神経系と同じ「副交感神経」に属します。疲労回復のために心身はリラックスする必要がありますけれど、背側迷走神経=副交感神経がすでに優位の状態なので腹側迷走神経系がうまく働けない状態です。
例えが適切かわからないのですけれどチョコレートをいやというほど食べて「もう甘いものはいらない」状態の時に別の甘味、たとえばお饅頭なんかを勧められても食べられないようなイメージと言えばわかっていただけるでしょうか。
眠い目をこすりこすりそれこそ最後の力を振り絞るようにしてスマホでゲームをしていたりするのは、それによって心身を交感神経優位(戦闘モード)に切り替えようとしているのでしょうか。そうすることで背側迷走神経優位の状態を解除しようとしているのかもしれませんね。
もちろんそういう状態でもいずれ「寝落ち」してしまいます。ただしそういう状態の睡眠は回復のためのリラクゼーションではなくて心身の物理的な限界、いわばバッテリーが上がってしまった状態です。「寝ても寝ても眠い」とか「起きられない」とか言うのはバッテリーが上がった状態が継続していて休めていないということです。
しんどいのに心身が「休むことを拒否している」状態はかなりよろしくありません。そういう兆しが見えたらぜひ早いうちにケアにおいでください。

