クラニオセイクラルの施術中に眠くなるのはどうしてか

クラニオセイクラルの施術をしていると、クライアントはたいていの場合寝息を立てて眠ってしまわれます。いきなりハイテンションで喋りまくる、というケースもあるのですけれど施術のどこかでスイッチが切れたみたいに爆睡されることが大半です。ただしこれはクラニオセイクラルに限った話では必ずしもなくて、手技療法を受ければそうなることは多いですよね。

マッサージやリラクゼーションを受けていてもつい眠ってしまいます。施術があんまり上手じゃないときでもやっぱりうつらうつらしてしまいます。これは自律神経のうち副交感神経が優位になって心身がリラックスすることによる、と説明されています。

ここ数年、ポリヴェーガル理論でいう「背側迷走神経系優位」の状態にあるクライアントを拝見することが増えました。コロナ後遺症や不登校だけではありません。仕事が忙しすぎて、お風呂に入る気力すらなく、そのまま寝てしまう。「風呂キャンセル界隈」と呼ばれる状態も、その一例と考えられます。

背側迷走神経系は副交感神経に属するので、風呂キャンセルをしているクライアントに副交感神経を優位にする通常のクラニオセイクラルの施術をしても効果はありません。なのでクラニオセイクラルの手技のアレンジをちょっと変えて心身が交感神経優位になるようにしてみました。主としてコロナ後遺症のクライアントだったけれどうまいこと症状が改善してくれましたし、不登校にも結構効果は出てきていいます。

それはありがたいことなのですけれど、私には一つ疑問がありました。心身を副交感神経優位に誘導するのであればリラックスするからクライアントが爆睡されるのは理解できます。でも、交感神経優位に誘導されると心身は活動モードに移行するんだから爆睡するのはヘンじゃないかな?そんなふうに思ったのです。

機械でも自動車でも(自動車も機械か)、修理するときは電源を切ります。それと同じことがカラダにも起きているもんだと私は思っていたのでクライアントにもそう説明していました。ところが最近読んだ本にちょっと目を引く記載を見つけました。

脳というのは神経の集まりである、と認識されています。ただ、神経が雑然と集まっているわけではなくて支持組織、言ってみればクッションみたいな組織が脳内の神経を支えています。この組織をグリア細胞とか神経膠細胞とか呼びます。そのうちのアストログリアと呼ばれる細胞は就眠中は縮んでで隙間を作り、その隙間が脳脊髄液の排水溝のような働きをするというのです。要するに就眠中に脳脊髄液の循環が促進されて脳内の老廃物を脳の外に排出するということで、この働きにはglymphatic systemという名前がついています。

そしたらその逆はないのでしょうか。クラニオセイクラルは頭蓋骨や仙骨を調整して脳脊髄液の循環を促進する、というのが治効のモデルでしょう?そうであるならば、クラニオセイクラルによって脳脊髄液の循環が促進され、その変化にアストログリアが反応して眠気が生じる、という可能性を考えるのは無理がありますかね?そう考えると、交感神経優位へ導くような施術であってもクライアントが眠ってしまうことの説明がつくかもしれないのですが。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です