経穴「下関」が外側翼突筋のテンダーポイントであるのなら

頬骨の下縁、いちばんくぼんだあたりに下関(げかん)という経穴があります。顔面神経麻痺やら食いしばり、顎関節症に有効とされています。それから吉田啓先生の「図解 経絡と解剖学」によると「全身の筋緊張、運動機能障害、バランス調整、線維筋痛症などの全身疼痛、自律神経失調、てんかん、チック、ジストニアなどにも(有効)」と書かれています。
以前、鍼灸の雑誌に下関に鍼を打つと自律神経のバランスセンター、翼口蓋神経節を刺激できるので花粉症に有効という記事を読んだことがあります。興味深い記事ではあったのですがまあ鍼灸師ではない自分には直接関係しないと思っていました。ただあるときクライアントの口内から口蓋骨を刺激すれば同じことができるのではないかと考えてやってみたら一発で決まってしまい50年間苦しんだという頭痛が楽になりました。血圧の乱高下するクライアントにも奏功しました。翼口蓋神経節恐るべし、なのですが口内に術者の指を挿入する手技というのはちょっと受けるのを躊躇するクライアントもおられます。
さて、手技療法のテクニックにポジショナルリリースというテクニックがあります。カウンターストレインとほぼ同物で身体のあちこちの圧痛点を見つけて調整します。クラニオセイクラルと同じように侵襲性の低いセラピーで、結構いろんな部位の調整に私も使っています。
それで咀嚼筋のひとつ、外側翼突筋の圧痛点がどこかというと、「口を軽く開いた状態で、下顎骨関節突起のやや前方、頬骨弓の下部にある。」と書籍に載っています。え?それ、下関穴じゃないの?
それで試みに下関穴に圧痛のあるクライアントの圧痛をモニターしながら頭部を支えて中程度屈曲させ、圧痛点の反対側に側屈回旋させると圧痛は消失します。そのまま90秒間その位置で保持してから元に戻すと圧痛は消えたままになってます。外側翼突筋の調整はそもそも顎関節症の治療のための手技なのですけれど、ひょっとすれば全身の筋緊張をはじめとする下関穴の適応とされる症状にも、この手技が有効なのかもしれません。

