コロナ後遺症の正体は2000年前からわかっていた

東洋医学の治療家対象の業界紙に連載されているコラムに、こんな記事が載っていました。以下、引用です。

この篇では、勇者と怯者という性格の違いが、病にかかわる話が書かれています。

夜に真っ暗な中を進むとき、

高いところから思いがけず落ちるとき、

怖いうえに更にびっくりするとき、

水の上を渡ろうとしてつまずいてこけるとき、

人は、呼吸が乱れて大切な臓の気が出てしまいます。

岐伯「このように、びっくりする事などがあると臓から気が出てしまいますが、そこから病になるかならないかは、性格によります。

物怖じせずに立ち向かう性格の勇者であれば、おどろいて気が出てしまった後でも、すぐにいつもの流れに戻って進みますので、病にはなりません。                           ビクビクして逃げようとする性格の臆病者であれば、気が出てしまった後には、流れが止まったまま進まなくなってしまうので、病になります。」

素問・二十一「経脈別論」 やわらか東洋医学第59回 かしはらたまみ 鍼灸柔整新聞第1201号

いかがでしょうか。ポリヴェーガル理論の背側迷走神経系が優位になったことによる心身の不調が見事に説明されています。もちろん新型コロナに罹患後、後遺症に悩んでおられる方は「臆病」ではありません。表現方法に問題はあるものの、未知のウイルスに罹患して心身が「すくんで」しまった状態を気の流れの停滞ととらえ、それが不調の原因になるということを、紀元前200年の昔に編まれた東洋医学のテキストが喝破していたというのはやはり驚くべきことでしょう。

臆病という表現は正しくありませんが、コロナ後遺症に悩む人はもともと神経質な性格の人やコロナに対して恐怖心を持っていた人が多い、ということはハーバード公衆衛生大学院の研究でわかっています。

そうであれば心身を「物怖じせずに立ち向かう性格」、つまり交感神経優位にもっていけばコロナの後遺症は緩解するでしょうし、事実そういう症例が徐々にではありますが集まってきています。手技療法の作用機序から考えればあり得ない話なのかもしれませんが、実は紀元前の昔から連綿と受け継がれてきたアイディアなのかもしれません。

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