自律神経のブレンド

副交感神経に二種類あるというポリヴェーガル理論もだいぶん認知されるようになってきました。私がこの概念を知ったのはずいぶん後になってのことで、コロナ後遺症(正確には罹患後症状)であったり不登校であったりが治せないところがスタート地点でした。
明らか自律神経由来の症状であるにもかかわらず全くクラニオセイクラルに反応してくれないこれらの症状への対応を考えているときに偶然書店で見かけたセルフケアの本にポリヴェーガル理論について書かれていました。それから遅ればせながら勉強を始めたという次第です。
基本的に手技療法は心身のリラクゼーションを図るためのものですから副交感神経であるところの背側迷走神経優位のクライアント(コロナ後遺症とか不登校、それから若者の言うところの風呂キャンセル界隈などもこちらに含まれる症状なのでしょう)にクラニオセイクラルが無効だったことはむしろ当然で、クラニオの手技をアレンジして心身を交感神経優位にもっていく方法をこしらえてからこれまで歯が立たなかった症状にも効果を出すことができるようになり始めています。
とは言え私には心理学の専門書は到底読めませんので一般の人向きに書かれた書籍でいろんなことを学んでいます。その中の一冊、吉里恒昭先生が書かれた「ポリヴェーガル理論がやさしくわかる本」というのを読んでいると自律神経の「ブレンド」という概念が出てきます。背側迷走神経と交感神経のブレンド、という具合ですね。このケースを吉里先生は「ブレーキとアクセルを同時に踏んでいる」と見事な形容をされています。
リハビリテーションの領域では、筋肉の過緊張と筋力低下が混在しているような場合まず緊張を緩和してから筋力の低下に対してアプローチするのがセオリーらしいです。クラニオセイクラルでも同じような考え方で施術を組み立ててもいいものなのでしょうか。
緊張の強い人(交感神経優位)であればクラニオの施術を始めるとリラックスして眠りに落ちられます。ところが反対に背側迷走神経系が優位のクライアントに心身を交感神経優位に持っていく「裏クラニオ」(ウチでクラニオのセミナーを受講して下さった公認心理士の先生命名)の施術を行うとやっぱりスイッチが切れた如く眠りにつかれるのですよ。交感神経と背側迷走神経のブレンドのケースではクラニオと裏クラニオ、どちらの手技をベースに施術を組み立てるのか、今ちょっと試行中です。どちらがより優位なのか、みたいなことが鑑別できる手段をあれこれ思案中なのです。。

