パニック障害はこんなふうにして改善する
ウチの治療院でパニック障害の患者さんに施術をしたことはありません。そもそも整骨院にはなかなかパニック障害の患者さんはおいでにならないでしょう。(普通に整骨院にはおいでにならないような症状の方も見えますからいずれおいでになるかもしれません、そうなればお役に立てると思っています。その理由について書いています。)
ただ、定期的に伺って頭蓋仙骨療法の施術を行っている広島市内のF医院さまは心療内科の先生ですから時折そちらで拝見することはあります。
パニック障害の方、と言っても他の症状の方とそれほど変わったことはしません。頭蓋骨の動きを調べて制限をみつけて調整するだけです。ただ特徴的なのは頸椎3番に圧痛があることと眉間にしわを寄せておられる方が多いことです。
頸椎3番に圧痛があるのはずっと以前、とあるセミナーで教わったことで「理由はわからないけれど」とのことでした。パニック障害の診断がついた患者さんを拝見するたびに確認してみると本当にその通りでそういう時私は単純に感激します。頸椎の矯正は造作もないことですから圧痛はすぐ取れますし、確かにそうすると患者さんは楽になってくださるのですけれど、頸椎3番とパニック障害の関係はわからないままずっと時間が経っていきました。
それでもうひとつの特徴です。眉間にしわを寄せる。これはなんとなくストレスフルな印象の表情ですよね。パニック障害とは「突然理由もなく動機や息苦しさ、めまいなどの発作が生じ」、「発作への不安が増して外出などの行動が制限される」という病気です。不安を感じておられるのですからパニック障害の患者さんが眉間にしわを寄せておられるのは納得いくのですけれど、どうしてストレスを感じると人は眉間にしわを寄せるのかという理由はわからないままになっていました。でもね、最近読み返した書籍に答えが載っていました。
不快な情報に接した時、人は眉間にしわを寄せてその情報をブロックしようとするのだそうです。もともとは嫌なにおいをかいだ時の表情ですけれど、イヤなものを見たりイヤな話を聴いたりしても人はおんなじ表情を作りますよね。そして不安を感じたときもそうします。眉間の辺りにある骨を篩骨と言いますけれど、眉間にしわを寄せると篩骨が影響を受け、篩骨にくっついている大脳鎌が引っ張られ、脳硬膜から脊髄硬膜までがさらに引っ張られるということです。眉間にしわを寄せることで脊椎にまで緊張が及ぶということですね。
パニック発作の患者さんは常に不安感に晒されています。そうして眉間にしわをこしらえる。眉間のしわは硬膜を緊張させる、という流れが考えられます。そうであれば頸椎3番が影響を受ける、という話もそれほど突飛なものではないようにも思われるのですがいかがでしょうか。(なんで3番に限定されるのはわかりませんけれど)
「楽しいことがなくても口角を上げるだけで副交感神経が優位になって免疫力が上がる」という話を聞かれたことはありませんか。それと同じ理屈で頸椎や篩骨の緊張を緩めると不安感が減少していき、パニック障害も軽快していくというのがこの場合の作用機序かもしれません。ボディワークでココロの不安は少なくとも軽減できるだろうと私は信じています。