嗅覚障害のセルフケア

何件か、「においがしない」という症状のご相談を受けました。風邪であったり新型コロナの後遺症(罹患後症状)であったりが原因です。私がもともとアレルギー性鼻炎もちでしんどい思いをしてきましたから、そのつらさは察するに余りあります。もちろん頭蓋骨全体の調整が必要ではあるのですが、「眉間と鼻の間にスペースを作る」手技が有効です。

眉間の奥には「篩骨」という骨があります。篩骨の篩は「ふるい」という意味で、細かい穴が無数に開いている骨です。解剖学的には含気骨と呼ばれます。

私が患者さんに施術するときは両手を使ってごくごく小さな力で眉間を開いて篩骨のためのスペースをこしらえます。セルフケアの時は親指と中指で鼻骨をつまみ、人差し指を眉間に当てます。力を加えることを意識するとうまくいきません。ほぼ手を当てておくだけです。

しばらくすると鼻の充血が引き始めます。鼻が詰まっている人はもちろんのこと、意識していなかった人も「鼻の奥がすっきりした」と驚かれます。嗅覚が即座に復活するかどうかはケースバイケースです。大体は徐々に嗅覚の改善を見ます。「気が付いたらニオイするようになってたわ」というのがこの手技を受けられた方に多いご感想です。

セルフケアの場合、片手で篩骨を操作しますが、これは私のアイディアではありません。感情解放テクニックの書籍を読んでいた時、タパス・アキュプレッシャー・テクニックという手法が紹介されていて、その時に片手で眉間を拡げる手技の図が掲載されていたので、篩骨解放の手技をする時にも使えるな、と思って使わせてもらっています。

タパスの手技が感情解放のためのものであるのを見てもわかる通り、篩骨の解放は感情の解放を伴うことがあります。頭蓋骨を調整中に突然涙を流される方は時々おられるのですが、篩骨解放のタイミングでそうなることが結構多いです。ちなみに眉間ではなく眼がしらですが、攅竹という経穴があってこちらは心的外傷や欲求不満、情動不安に関係すると言われています。

従来主張しておりますようにコロナ後遺症(罹患後症状)は人類未知のウイルスに罹患した恐怖がトラウマになって発症します。眉間を開いて篩骨を調整して嗅覚が回復するというのは、「鼻」そのものの機能の改善だけでなく感情や自律神経に基づいたものなのかもしれません。

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