テニス脚とはどんな症状?

テニスレッグという傷病があります。なんじゃそれは?テニス肘なら知っているけれどテニス脚というのは初耳という方もおられるでしょう。じつはこれ、ふくらはぎの肉離れのことなんです。

肉離れ(挫傷)を起こしやすい筋肉は決まっていて、一番多いのは太腿の裏側、ハムストリングスです。次に肉離れしやすいのは太腿の前面、大腿直筋。それから下肢の内転筋群が続き、ふくらはぎは第4位になります。厳密にはふくらはぎの筋肉は「ヒラメ筋」と「腓腹筋」に分けられて肉離れを起こしやすいのは腓腹筋のほうです。

定期的においでの患者さんが、「ふくらはぎがピキッとなった」とおっしゃいます。痛みそのものは大したことはないけれど、何かの拍子に痛むそうです。うつぶせになっていただいて触診するとごくわずかですけれど損傷部を触れます。伸縮性のテープを筋肉の走行に沿って貼付しました。

それからルーティンの頭蓋仙骨療法を行い、診察台から降りて歩いていただきます。痛みがないことを確認して終了。肉離れは筋繊維が部分的に断裂している状態ですから手技でどうこうなることはありません。ただし患肢をかばって変な歩き方をしていたり、歩行時の痛みがストレスになったりするとそこから症状が広がることがあります。逆に頭蓋仙骨療法で心身の緊張が緩めば歩行時の痛みが改善することはあります。いずれにせよ(部分)断裂した筋肉をストレッチしたりマッサージしたりという行為は百害あって一利ありません。

「肉離れは癖になる」というでしょう?肉離れは筋肉の繊維の部分断裂です。断裂した筋繊維は再生しないで瘢痕組織に置き換わります。切れたゴムを接着剤でくっつけたようなもんです。瘢痕組織は筋肉のように伸縮しませんから、筋繊維との間でギャップが生じます。伸び縮みする筋肉と瘢痕組織の境目のところで再び肉離れが起きてしまう、ということです。

自費でオステオパシー整体を行うことがもっぱらですので、外傷の患者さんを拝見することはうんと少なくなりました。ただ、今回のようなケースに対応できるくらいの準備はしています。

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