自然治癒力は上から下へ内側から外側へ波及する

リフレクソロジー

私に限らず自然療法(整体や鍼灸など)のセラピストは、「患者さんを治すのは患者さん自身の自然治癒力だ」という前提で施術を行っています。要はセラピストが治すのではなく、患者さんの自ら治そうという力が症状を改善する、ということです。ですから私たちセラピストのやっていることは患者さんの自然治癒力の賦活、ということになります。

カイロプラクティックに、「Above Down,Inside Out」という言葉があります。自然治癒力(カイロプラクティックでは先天的知能と言います)はカラダの上から下へ、内側から外側に向かって波及していくという意味です。

脊椎を調整するカイロプラクティックにあって、カラダの内側はもちろん脊椎です。その一番上、第1頸椎を調整することで、自然治癒力は最大限発揮されてその結果、いろんな症状は改善されていくというのがカイロプラクティックの哲学とされます。実際、上部頸椎「だけ」を調整するカイロプラクティックの流派があって、日本にもいくつかこの流派の治療院があります。

私がメインで施術に使っている頭蓋仙骨療法は、作用機序のモデルを脳脊髄液の循環である、としています。脳内で作られた脳脊髄液が脊髄硬膜の中を循環してもう一度脳から吸収される。硬膜に歪みやねじれが生じて循環が妨げられることがさまざまな症状の原因になる、という考え方です。頭蓋骨の治療だけですべての症状に対応できる、という意味ではないのですが、頭蓋骨の調整で今までどこに行っても治らなかった腰痛が治った、というようなことを経験することはよくあります。

「反射療法」とか「ゾーンセラピー」という名称はご存知でしょうか。足裏をマッサージするサロンはずいぶん以前からたくさんありますね。廃れることなく続いているのはそれだけ効果の高いセラピーであるということでしょう。カラダの一部、足裏や手のひらに全身の健康状態が投影されるという考え方、それを応用した治療法は世界のあちこちにあります。耳のツボに鍼をして、食欲を減じるダイエット法もこれに属します。

頭蓋骨のあちこちにも反射帯があります。顔全体にカラダの状態が反映されているという考え方は最近よく見るようになりました。カイロプラクティックにも後頭骨を使った反射療法があります。同じくカイロプラクティックにはTSラインというのがあって、側頭骨と蝶形骨の周りの縫合に、内臓や筋肉と対応するポイントがある、とされます。

一口にゾーンセラピーと言ってもいろんな考えや手法があって、どれがいいのか迷ってしまいそうです。日本にゾーンセラピーを広めた五十嵐康彦先生によると、手や足のゾーンセラピーより頭や顔のほうが効果が高いらしいです。手足はゾーンセラピーで反射帯を整えても、日常生活で動かすからすぐに元に戻ってしまうのだそうです。それに比べると頭や顔のゾーンセラピーは運動量が少ない?ぶん、効果が長持ちするといいます。

もう一つあげれば、頭へのセラピーのほうが脳に近いところを施術している、ということも理由になるかもしれません。

私は治療法に優劣は基本的に存在しないと思っています。ただ、施術を行う側がどのような意図で施術をしているのかを患者さんにしっかり伝えたほうが効果が高いというのは経験的に知っています。

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