五月病は治る

五月病のイメージ

ゴールデンウイーク明けになってから、無気力になったり不安感が強くなったりという症状を呈することを「五月病」と呼びます。正式な病名は「適応障害」。胃痛、食欲不振、頭痛、めまいなどを伴うこともあります。

五月病を解説したサイトには必ず載っている話ですが、新年度のストレスが連休明けになって表在化したことが原因である、と説明されます。

たしかに新入学、就職といった大きなイベントでなくても新学年になってクラス替えというのもストレスではありますよね。ただ、環境が変わることがストレスであるのならどうしてわざわざ連休が終わるのを待って心身の調子が崩れるのでしょうか。

それで、五月病の症状を見ていると自律神経系の問題が多いです。残念なことに五月病の患者さんを拝見したことがありませんので偉そうなことが言いにくいのですが、似たような症状の患者さんなら時折拝見しています。ひとつ目は不登校。もうひとつは新型コロナウイルスのいわゆる後遺症。

どちらも背側迷走神経系に問題があります。通常何らかのストレスに接したとき、私たちは戦うか逃げるかします。この時には交感神経系が優位になります。ところが到底かなわない敵に遭遇した時には副交感神経のうち背側迷走神経系が働いて、一切の活動をストップさせて「凍りつく」ことを選択します。この時心拍数は減少し呼吸数も低下します。感情がまひして表情が無くなり、人とのつながりが持てなくなります。それからもうひとつ、カラダに力が入らなくなります。つまりすべての活動をシャットダウンするということです。

コロナウイルスへの感染は、全く未知のウイルスですから脳がこれを「絶体絶命のピンチ」と判断して背側迷走神経系が働いたものと考えて、カラダを交感神経優位になるように調整してみました。そうすると驚いたことにコロナウイルスの後遺症が改善してきたのです。私が勝手に言っているだけではなく、指導いただいている医師の診断ですから間違いないと思います。何人かの同業にも追試してもらいましたがおおむね良好な結果が出ているようです。

それで、五月病の症状と背側交感神経系が優位になったときの症状を比べてみてください。びっくりするほど似ていませんか。

それならどうして連休明けになって五月病の症状が出現するのか。おそらく環境が急変したストレスは五月病になる要因のある人には強く作用するのでしょう。あっちこっちのサイトから「五月病になりやすい性格」をピックアップすると、「まじめ」「几帳面」「完璧主義」などが挙げられます。そういう性格の人は新年度のストレスをおそらくぎりぎり押さえつけて日常生活を送っていたと思います。この時には戦闘モードですから交感神経系が優位になります。そうしてとことんがんばって、連休が来ました。

連休のあいだは職場や学校から離れていますから、とことんがんばった交感神経はお休みです。そうして背側迷走神経系が働いて心身はシャットダウンモードに突入します。そのまま交感神経系が力尽きてしまった状態がおそらく五月病なのだと思います。そういう状態であってみれば、多くのサイトが推奨するような「ストレスを解消する行為」は効果が期待できないでしょう。ストレスを解消するための睡眠であったり休息であったりは心身を副交感神経(腹側迷走神経系)優位にもっていくためのものですが、五月病をもたらす原因となっている背側迷走神経系が副交感神経のカテゴリーに入っているからです。

五月病をもたらしている背側迷走神経系優位の状態から、心身を交感神経優位にもっていけば五月病はおそらく改善します。もちろん無理やり叱咤激励して登校や出社させても、しんどくてつらくて意味のないことです。ご自宅でできるセルフケアなら椅子に座って両手の人差し指か中指の腹を左右のこめかみに当てます。本当に当てるだけでいいです。そのまま3分間。朝夕1セットずつやってみてください。きっと効果があるはずです。

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