冷えとは何か?

足が冷えるという方は多いです。冬場だけではなく夏場でもなんだか足元が寒いという方を結構拝見します。「足は第二の心臓」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。血液は当然ながら液体です。だから上半身から下半身に向かっては、重力に従って容易に流れます。

ところが下半身から上半身に向かって血液が流れるためには重力に逆らって血液を流さなければなりません。何らかのポンプ作用が必要ということです。そのための動力は筋肉の働きです。歩行することで筋肉が収縮し、その作用によって血液が上方へ押し上げられていきます。この時の作用を「ミルキングアクション」と言います。milkといえば「牛乳」なんですけれど「搾り出す」という意味で動詞としても使われるのだそうです。乳搾りからの連想なんでしょうね。歩行によって血液を循環させることが「足は第二の心臓」と呼ばれる所以ということです。

なので歩行が十分でないと下半身から血液が環流してきません。足がむくむ原因にもなりますが、血行不良は「冷え」の根本原因になります。なので冷えを解消するためにはまず歩くことが大切です。

そもそも「冷え」とは何か?案外認識されていないと思います。答えは「下半身の体温が上半身に比べて低いこと」です。なのでサウナに入ろうが暖房の効いた部屋で鍋焼きうどんを食べようが長時間湯船に浸かっていようが「冷え」は解消されません。おんなじだけ温度を上げても上半身と下半身の温度差は解消されないからです。そこで下半身だけを集中的に温める必要があります。腰から下だけ湯船に浸かる「半身浴」が理想的ですが「足湯」でも効果はあります。

半身浴の効果は絶大で、慢性関節リュウマチの手の変形が半身浴を続けることで改善したという報告を読んだことがあります。それから二日酔いにも効きます。

足が冷えると(正確には身体が冷えているのですが)、こむら返りが起きやすくなります。夜中に足がつるのは辛いですよね。十分に歩くことや下半身浴でこむら返りも予防できますがあと患者さんには食べるものの話をしています。コーヒーとかバナナとかチョコレート、お好きじゃないですか?これらの食品に共通しているのは熱帯の産物であるということです。熱帯の食べ物は身体を冷やす働きがあります。暑い国の食物ですから体を冷やして恒常性を保つ、ということです。なのでこれらの食品の摂取をちょっと控えると冷えが改善されます。好きなコーヒーを(バナナでも)全く断ってしまえ、というような無茶は言いません。一日3杯のコーヒーを2杯に、毎日食べていたバナナを2日に一本にするくらいでいいと思います。

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