重症者はたいてい頭蓋骨と頸椎のあいだが緊張している

飛び跳ねる 自閉症

頭蓋骨と第1頸椎のあいだが緊張している患者さんは多いです。第1頸椎は頭の重量をすべて支えています。それでギリシャ神話に出てくる天空を支える巨神、アトラスの名前が付けられています。ちなみに第1頸椎はリング状の形状ですから「環椎」という名前でも呼ばれます。

頭蓋骨(後頭骨)を支えている筋肉はそんなわけで緊張しやすいです。後頭骨と第1、第2頸椎のあいだから眼、耳、鼻に関連する神経が出ていますからこのあたりが緊張すると眼が疲れたり耳鳴りがしたり、鼻がぐずぐずしたりします。ずっとパソコン画面を見ていると頭の後ろが詰まったような感じがしますけれど、後頭骨と第1頸椎のあいだ、環椎後頭関節が緊張しているからです。

脊髄硬膜は後頭骨と第2、第3頸椎に付着していますから環椎後頭関節に緊張があると影響がアタマ以外にも及びます。腰痛とか坐骨神経痛、膝の半月板損傷なんかで通常の治療法に反応してくれないケースでは環椎後頭関節の緊張を緩めるとうまく治ってくれるケースが多いです。

ここを緩めるのはちょっと技術がいります。術者の指先を環椎後頭関節に当てて、患者さんの頭の重さを利用して緊張を緩めていきます。入浴時、バスタブの縁(へり)を環椎後頭関節のあたりに当てているとうつらうつらリラックスしますけれど、理屈は同じです。自然にアタマの重さをバスタブに預けているのが一番緩みやすいです。力任せにぐりぐり押さえつけるとかえってしんどくなります。それからあんまり長時間やると倦怠感が出ます。せいぜい5分くらいまで、がいいです。

ウチの治療院では学習や発達に困りごとのある子供さん(や場合によっては成人)がお見えになります。そういう方の環椎後頭関節は必ず緊張しています。それから子供さんの場合、ここをさわられるのを痛がって嫌がります。ごくごく軽い力で時間をかけて緩めていきます。

自閉症の子供さんは残念ながらうまく治ってくれなかったのですが(頭蓋仙骨療法の適応症とはされている)やっぱりここが硬いです。自閉症の人がぴょんぴょんジャンプすることがあります。たぶんあれは、そうすることで第1頸椎に刺激を与えているのだと思います。第1頸椎が骨折する(ジェファーソン骨折)のは、高所から足をついて転落したときなのですが、それと同じ刺激を与えることで緊張を緩めているのかもしれませんね。

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