どうして人は頬杖をつくのか

頬杖をつくことはマナー違反とされています。私も高校時代、化学の授業中に頬杖をついていて教師からひどく叱られたことがあります。それではどうして頬杖がマナー違反になるのか。頬杖についてウイキペディアでは、「ヒトが考え事をしたり、物思いに耽ったりする際に無意識的に行う動作であり、その人物の退屈、眠気、疲労、不安、憂鬱、リラックスなどを表現するポーズとして美術や文学においても多く用いられている。」とあります。高校時代にどんなことを考えていたのか記憶していませんが、まあ、上に挙げた心象のどれであったとしても教師は怒りますよね。

なのですが、私は授業中に「オレは退屈しているぞ」ということを教師に向かってアピールするために頬杖をついていたわけではもちろんありません。むしろアンニュイな気分を改善しようとして自然と頬杖をついたということでしょう。

「頬」杖ではありますが、実際に頬杖をついている人物が両手で支えているのは自分の顎、下顎骨になります。下顎骨を支点に、頭の重さを支えていると、その力は側頭骨に伝わります。側頭骨というのは耳のあたりの骨で、下顎骨との間で顎関節を形成します。顎関節は別名「側頭下顎関節」といいます。

そうやって下顎骨から側頭骨に頭の重さが伝わることで、側頭骨が動き脳脊髄液の循環が促進されます。脳脊髄液の循環は自律神経に影響します。脳脊髄液の循環が促進されるとリラックス効果があることが知られています。おそらく人間が本能的に頬杖をつくのは面白くない気分の時にそうすることによって、落ち込んだ気分を立て直す働きがあるからなのでしょう。リラックスを表現するときに頬杖をつくのは、おそらく頬杖の「理由」ではなく「結果」なのだと思います。

ちなみに、「気分が落ち込んだ時に無理にでも口角を上げて笑顔を作ると、それに合わせて気分も上がる」みたいなことがよく言われますが、それとおそらくは同じ原理なのだと思われます。私もつまらなそうに頬杖をつく代わりに笑顔で授業を聞いていれば化学の教師が怒ることもなかったのでしょうか。いやたぶん、「へらへら笑うな」とか言ってどっちみち立たされてたと思うな。

さて、下顎骨ではなく、本当に頬に手を当てて頬杖をついてみましょう。左右同時に行うのがいいです。頬骨に手のひらが当たる感じですね。「ブラックジャック」に出てくる「ピノコ」という女の子のキャラクターがいますが、彼女の得意のポーズ「アッチョンプリケ」みたいな感じです。そうするとね、鼻の詰まりが改善します。花粉症やら風邪やらで鼻が詰まったときにはぜひアッチョンプリケを試してみてください。鼻が通ってからも二分間くらいそのままにしておくと詰まった鼻が楽になります。化学の授業中は避けたほうがいいかな。

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