子供の頭痛はむち打ち?
頭痛持ちの幼稚園児
子供さんの頭痛の相談を受けることが時々あります。拝見する前には医療機関での検査をお願いするのですが、これはうちに相談される前に皆さん受診されています。それはまあ当然のことで、整骨院での施術を第一選択肢にすることは無謀ですし無意味です。医療機関で「異常なし」だけれども辛い症状があるときが補完医療の出番だと思っています。症例を見てみましょう。いずれも小学校低学年のお子さんです。
A君は幼稚園の年長さんからの頭痛持ちです。天気が悪い時に頭痛がひどくなります。やや近視気味ですが医療機関での検査では異常なし。頭痛が出始めたころからサッカーをやっている、との事でしたのでおそらくこれが原因だろうと考えました。案の定、頸椎3番に強い筋緊張があります。サッカーのヘディングで頸椎を傷めるという話は聞いていましたが、A君の訴えが頸ではなく頭痛だったので気にされなかったのでしょうね。
頭部に衝撃が加わって頸を傷めているわけですからむち打ち損傷と同じというか、むち打ちそのものですよ。むち打ち=頸椎捻挫を放置していると頚部交感神経症候群、自律神経の問題に移行していくのは子供さんも同じで、A君は小学生にしてひどく肩が凝っていました。天候によって頭痛が増悪するところから見ても自律神経に問題があって頭痛が起きていると考えました。
12回の施術で雨の日も頭痛は出なくなりました。視力も改善してくれるかと期待したのですが残念ながらこちらのほうはほとんど変化はありませんでした。
子供の頭痛はすべてゲームが原因とは限らない
B君は後頭部から頭のてっぺん(矢状縫合)にかけての頭痛があり、特に試験の時などにひどくなるといいます。ゲームが好きでよくやっているという話でしたし、眼を酷使していると腸腰筋が緊張して股関節が伸びなくなるのですが、B君にもそういう兆候は見られました。ところがB君は視力1・5でどうも眼の酷使によるものとは違っていそうです。よくよく話を聞いてみると二歳の時に頭をひどくぶつけたことがあるそうです。頭痛を訴えるようになってから医療機関で検査を受けましたが異常なし。
頸椎を触診してみると頸椎1.2番の右側に圧痛があって、頸椎1番と後頭骨の間もひどく緊張しています。むち打ちで傷めるところとは微妙に違いますから断言はできませんけれどB君もむち打ち由来の頭痛だったのかもしれません。頭蓋仙骨療法がうまいこと奏功して7回の施術で頭痛はなくなりました。小学校低学年の子供さんでも嫌がらずに受けてくれるくらい低侵襲できもち良い治療なのだと思います。
むち打ちというと子供さんには関係なさそうに思いがちです。確かに小学生は運転はしませんが、しりもちをついて転んだり、頭をぶつけたりすることでもむち打ちは発生し得ます。放置すれば頚部交感神経症候群に移行して、自律神経の問題が起きる可能性もどうやらありそうです。「原因不明」の子供さんの症状の原因を見つけるのも補完医療の仕事なのだと思っています。