左手で握手をするとオキシトシンが分泌される?

ライオンズゲート

蝶形後頭底関節の手首および肘調整とは?

何度か記事にしている話です。クラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)の書籍を読んでいると不思議な手法が紹介されていました。「蝶形後頭底関節の手首および肘調整」という手技がそれです。術者は患者さんと左手で握手します。術者の右手は患者さんの肘を支えます。それだけ。テキストには「組織や関節のたるみを取り、浮かんでいるものとして蝶形骨を視覚化して、全体的な牽引によって組織や関節のたるみが吸収されるのを待つ。必要なものを尋ねる前に、蝶形骨がそれを自分に伝えるのを待つ。そのときにのみ、アンワインディングを始めることができる。」と説明されています。読んでいても何のことかさっぱりわからん、のですが、やることは簡単です。

「こんなことやって何になるんだ」と思いながら家人に試してみると爆睡。自宅でのケアに使えるかと思って子供の患者さんのお母さんに教えて就眠時にやってもらうと、子供さんもリラックスしてくれるようです。お困りの症状も随分改善しました。

医師による実践とオキシトシン

何か興味深い知見があると広島市のF医院の院長先生に報告するのが常です。前回クリニックに伺った時に「こんなことやってるんです」と話すと大変興味を持たれて早速ご自身でも試しておられるのが先生のすごいところです。情緒が不安定な方にやってみたら落ち着いたよ、とか座位でも効果はあるみたいね、とか症例が続々蓄積されてきています。F先生のお考えでは握手することでオキシトシンが出るんじゃろう、とのことでした。蝶形骨を調整することで幸せホルモン、オキシトシンが分泌されるのは不思議なことではありません。ただし左腕を支えているだけのことでどうして蝶形骨の調整になるのかについてテキストでは全く言及されていません。

頭蓋仙骨療法の作用機序と左手の役割

頭蓋仙骨療法の作用機序のモデルは脳脊髄液の循環です。脳室で産出された脳脊髄液の循環のリズムは脊髄を介して全身に及びます。その動きは四肢では外旋、内旋の動きとして蝕知されます。四肢の外旋を意図的に阻止する手技も頭蓋仙骨療法に存在します。ふつう両足の踵を支点にすることが多いですが、患者さんの手と握手をすれば手を使って同じことが可能です。患者さんの左手と握手をすることによって脳脊髄液の循環をコントロールできるということです。脳脊髄液の循環の原動力は蝶形骨の動きですから握手することで蝶形骨にも影響を及ぼすことは可能でしょう。ではなぜ左手なのでしょうか?人の脳で左右と言えば「右脳」「左脳」を思いつきます。右脳は感覚、左脳は思考とか論理を担当しています。左手で手をつなぐことで脳脊髄液の循環を阻止して左脳を制御し、右脳を活性化するというのがこの謎の手技のコンセプトなのかもしれません。右脳優位のメリットとして、集中力が向上すること、感性が磨かれ直観力がアップすることなどのほかにストレスが消滅することが挙げられています。オキシトシンが働いているのでしょうか。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です