足を踏み鳴らすチックとジェファーソン骨折
ジェファーソン骨折というのは頸椎の一番上、環椎の骨折のことです。高所から足をついて転落した時に発生します。足に加わった衝撃が脊椎に伝わり、頭蓋骨と第2頸椎の間で環椎が押しつぶされて骨折するということです。
もちろん私たちセラピストが対応できるようなケガではなく、医療機関に託す必要があります。
それとチック症とどんな関係があるの?ということなのですけれど、チック症の中に「足を踏み鳴らす」というタイプのものがあります。チック症は基本的に「心身の緊張を緩和するための動作を繰り返している」ものだと考えると、足を踏み鳴らす行為はジェファーソン骨折の受傷機転と同じように足からの衝撃で環椎を刺激しているのではないか、と思っています。
足を踏み鳴らすタイプのチック症患者さんを拝見した経験はないのですが、チックがあったり吃音があったり、あるいは集中力が無かったりする子供さんは頭蓋底と環椎の間がものすごく緊張していて、なおかつここを触られるのを痛がって嫌がります。痛くないように徐々に緩めていくのは結構技術がいります。
作家の東田直樹さんの著書にも「自閉症の僕が飛びはねる理由」というのがあります。自閉症の方がぴょんぴょん飛び跳ねるのもおそらくは同じ理由からだと思います。
ただ、頭蓋底と環椎の間が緊張する、というのは一般的な症状です。眼精疲労の患者さんもここが緊張していますし、骨盤矯正をいくら受けても腰痛が治らない、というケースでもひどく緊張していることが多いです。