頭蓋仙骨療法にできることその3 集中力・学力の向上
「授業は理解しているのにテストで点が取れない」子供さんは今までたくさん見てきました。そういう子供さんはどこかで集中力が途切れていることが多いです。
大きく分けて二つのパターンがあります。授業を集中して聴くことができないか、課題(テスト問題も含む)に集中して取り組むことができないか。言ってみればインプットかアウトプット、あるいはその両方ができていないということです。両者に共通するのは、情報の取捨選択ができないということです。
授業中の学校は静かですが、全くの無音ではありません。校庭では体育をやっていますし窓の外では自動車や飛行機がエンジン音を響かせます。クラスメートの誰かが鉛筆を落とすこともあります。
教科書を見れば今習っている単元のほかのページが気になりますし、教室内には黒板のほかにもいろんな標語やら作品やらカレンダーやらが掲示されています。
そういうさまざまな情報が先生のお話や板書と同じウエートでいっぺんに脳内に入り込んできます。
テストの時も同じです。「次の文を読んで後の問いに答えよ」とあって、ボリュームのある文章を読んでいると途中でどこまで読んだのかわからなくなります。解答しようと思うと答案用紙には同じような解答欄がずらっと並んでいます。
数学などでは1枚の問題用紙に問題が複数並んでいます。問1について考えているはずが目の端に入ってきた問3が頭のどこかで気になります。
その結果が問題文の読み飛ばしやら解答欄の間違いやらその他もろもろのケアレスミスです。
こういうタイプの子供さんは、聖徳太子がそうであったように少なくとも潜在的にはマルチタスクをこなす能力があります。ところが難儀なことに眼や耳から入ってくる「すべての」情報に同じウエートで反応してしまうことが多いのです。
それでこういう子供さんは、ほぼ例外なく身体が緊張しています。あお向けに寝かせて左右の脚の長さを比べてみると、素人目にもわかるくらいどちらかが短い。両膝がちゃんと伸ばせずに膝がベッドから浮き上がっている。すべて緊張のサインです。情報の取捨選択、集中するべき情報をその他のものとより分ける作業は眼や耳についている小さな筋肉によってなされます。集中するべき情報にフォーカスできるように視覚や聴覚をコントロールする働きをこれらの筋肉は司っています。逆に言えば筋肉が緊張すると眼や耳は必要な情報だけに集中できなくなってしまうということです。
以前にも別のところで書きましたが、集中力や学習に問題のある子供さんはたいてい排泄に困りごとがあります。頻尿や夜尿症など。これは緊張が膀胱壁にまで及んで膀胱の容量が少なくなってしまうからです。
緊張するとそれを緩めたくなるのは生物の本能です。人前で話すときに咳払いしてしまったりするでしょう?そうやって喉の奥を刺激すると緊張が緩むことを人間は本能的に知っているということです。そうしてそれが頻繁になり過剰になったものがチック症です。
頭蓋仙骨療法は肩こりや腰痛に有効であることでもわかる通り、心身の緊張を緩和します。具体的には筋肉に「緊張しろ」という命令を出している脳をリラックスさせます。その結果情報の取捨選択がスムーズにいくようになります。必要な情報に集中できるようになりますから、集中力も上がりますし(勉強すれば、の条件付きですけれど)成績も向上します。夜尿症やチックも改善していきます。
施術そのものは全く苦痛を伴わない気持ちいいものです。子供さんも嫌がらずに受診してくれます。