コロナにかかった後で足が腫れた方、おられませんか?

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「反射性交換神経性ジストロフィー(RSD)」という傷病があります。手首や踵の骨折の後、骨折した辺りが腫れたり痛んだりします。患部付近の皮膚に発赤を見ることもあります。痛みは「灼熱痛」と言われるくらいすごいもので、電気を当てたり手技療法を行ったりすることを患者さんが拒否することもあるといいます。

昔々健康保険を使っていた頃に2例続けて経験したのが最初でした。どちらも高齢のご婦人で、橈骨遠位端骨折で骨癒合後にRSDを発症されました。お一人は手部にやや拘縮が見られたのですが、近所にあった大きな病院で猛撃矯正を受けて「これはたまらん」ということでおいでになりました。当時は頭蓋仙骨療法をまだ使ってはいなかったのですが、微弱電流治療器という便利な機械があってこれと自動運動とでまずまず改善した記憶があります。

だいたいは手や足の先端で発症するのですが、そうでないケースもあります。一度は広島のF医院さまで拝見した「肩の痛み」。テーピングを希望されたのであれこれアレンジを考えてやってみたのですが全く効果なし。それで院長先生の紹介で大きな病院で診てもらったところRSDの診断がついてきました。その患者さんは拝見するちょっと前に大きな手術を受けておられてそれが発症の引き金になったんじゃろう、とのお話でした。頭蓋仙骨療法をしていればどうにかなったかもしれんな、とちょっと心残りです。

手術のストレスで発症することでもわかるように、RSDは自律神経の混乱によって起こります。痛みに敏感だったり心配性だったりする方に発症しやすいです。捻挫や打撲で痛みが長引くケースの中にはRSDとまではいかなくてもそういう傾向があるのかもしれません。拘縮が見られるほど重篤な症例は最近診る機会はありませんが、家人が手をついて転んだ時にいつまでも痛みが引かなかったケースや、踵骨骨折後に手関節に痛みや腫脹が出たケースでは頭蓋仙骨療法が奏功しました。

昨夏、身内が新型コロナウイルスに罹患しました。幸いに軽症で熱はすぐに引いたのですが歩行時に膝崩れが起きたり、それが治ると今度は片足の足背がものすごく腫れてきました。痛みもかなりあったといいます。かかりつけのクリニックで血液検査をしてもらうとCRPがとんでもなく高い。先生は蜂窩織炎を疑ってその処置をしてくださって、それで軽快しました。

後になって思うのですけれど、ひょっとしてあれもRSDかそれに類似した疾患だったのではないかな。RSDが骨折に続発するときは大体神経質だったり痛がり、怖がりの方に発症しやすいです。ようは骨折に強いストレスを感じているということですよね。大きな手術も同様です。新型コロナのいわゆる後遺症(正確には罹患後症状)が軒並み自律神経症状なのは、罹患したことが大きなトラウマになっているからなのは明らかです。それだったら身内の足の腫れにしても同様に考えてもいいように思います。

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