頭蓋仙骨療法はどんな症状に、なぜ効くのか1 頭と顔の不調
「あたまの整体」はどんな症状に効くか
頭蓋仙骨療法がどんな症状に効果があるのかについて、何回かに分けてお伝えしていきます。まずは頭と顔の不調から。
頭蓋仙骨療法は、簡単に言ってしまえば「あたまの整体」ですから頭部や顔面の様々な症状に効果があります。具体的には眼、耳、鼻や顎関節の不調。それから顎関節の問題。頭痛などですね。
手技療法の作用機序として一般的なものに「除圧」があります。神経や血管の通り道が塞がれているときに、原因を取り除いて通り道を回復させると痛みや様々な不調が改善する、ということです。頭蓋骨の場合は炎症や癒着によって眼や耳、鼻に症状が出ていることが多いです。
眼窩を調整すると眼の具合が改善する
眼玉が入っている頭蓋骨のくぼみを「眼窩」といいます。眼窩は複数の骨によって構成されていますから、頭蓋骨が外力やストレスによって歪むと当然影響を受けて、同じように歪みを起こします。眼窩の奥には眼の働きにかかわる神経や血管が通っていますから、これらの通り道が塞がれてしまいます。逆に眼を酷使すると充血を起こし、やっぱり血行が妨げられることになります。こういう時に頭蓋骨を調整すると充血が「すっ」と引きます。神経の通り道も回復するようで、60歳を過ぎてから視力が回復して運転免許の「眼鏡等」の条件がなくなった、という方がおられます。もっともその方はしばらくして白内障の手術を受けられましたから、器質的な症状には効果はないということですね。
花粉症にも頭蓋仙骨療法
花粉症や風邪などで鼻が詰まるのはしんどいものです。眉間の奥に「篩骨」という複雑な形をした骨があります。この骨をテコにして鼻周辺の骨を動かすと充血がひいて鼻が通ります。鼻が詰まった苦しさがストレスになって自律神経がパニックを起こすと鼻詰まりはさらにこじれます。こういう時は鼻を通すのと同時に自律神経を調整します。頬骨を内方に圧迫することでも鼻の奥の充血は取れます。
滲出性中耳炎の名残が成人してからの不調の原因になる
子供の時に中耳炎で辛い思いをした方も多いでしょう。再発を繰り返すケースもあって、漫然と抗生剤を処方されることも多いようです。除圧を目的とした物理的な治療法としては中耳に鼻から空気を送って鼓膜の内外の圧の差をなくす治療法(ガッコウ通気)という治療法が行われます。ただし、小さい子供さんではうまく空気を送るタイミングが合わなくて奏功しないこともあります。そういう時に耳管のストレッチという手技を行うと、緩徐に除圧ができます。術者が緊張の具合を感じながら的確に施術できますから効果も高いです。時々あるのが、子供の時の滲出性中耳炎の癒着がそのまま残って現在の不調に原因になっているケースです。直接耳の不調というよりも、不定愁訴の方のほうが多いような印象を受けます。
頭痛の原因はそれこそ様々で、眼、鼻、耳の症状から自律神経がバランスを崩したケース、頸椎や骨盤の問題が波及して頭痛となって現れたケース、顎関節の不調が原因のケースまでいろいろです。高血圧を伴うケースもあり、まずは医師の診察を受けてからの頭蓋仙骨療法受診が無難かと思います。