頭蓋骨と骨盤はシンクロしている
何回か記事にしている話ですが、頭蓋骨と骨盤はシンクロしています。頭蓋骨は脳が脳脊髄液を産出したり吸収したりする動き(これを脳の呼吸といいます)に合わせて1分間に十数回膨張と収縮を繰り返しています。この動きは脊髄硬膜を通して骨盤に伝えられます。
逆に言えば歯科治療やストレスなどで頭蓋骨の動きが妨げられると、それは骨盤にも影響する可能性があるということです。ふつうに骨盤や腰椎を調整しても治らない腰痛が、頭蓋骨の調整であっけなく治ってしまったということはそんなに珍しいことではありません。逆に七転八倒するような頭痛が仙骨の調整で軽快することもあります。
からだのパーツでは、「似たような形のものは似たような働きをする」という法則があります。後頭骨と仙骨、側頭骨と寛骨、顎関節と股関節、などなど。頭蓋骨と骨盤を並べて置いておいてもそれほど似てはいませんが、ひとつひとつの骨を見比べてみると「なるほど言われてみれば似ているな」と、納得します。
身体全体のバランスをとるときに、横向きに寝た患者さんの後頭部と仙骨に術者が手のひらを当てて、両者の動きをシンクロさせる手技があります。ホームケアとしてもできますから、頭痛や腰痛の方が身近におられたらやってあげてみてください。
まず術者の左手のひらを患者さんの後頭部に当てます。それから術者の右の手のひらを患者さんの仙骨部に当てます。頭蓋骨や骨盤にも、それから手のひらにも「極性(磁石のN極S極みたいな感じ)」がありますから可能であれば後頭骨に右手のひらを、仙骨に左の手のひらを、それぞれ当ててください。
プロのセラピストが調整する場合はそれぞれの骨の動きをチェックしながらバランスをとるのですけれど、ただそのまま手を当てておくだけで十分効果はあります。時間は10分間くらい。