花粉症の鼻の詰まりは自律神経を調整すると治る
花粉症、アレルギー性鼻炎はしんどいです。私ごとですが受験生の時ひどいアレルギー性鼻炎で苦しみました。薬を飲むと少し楽にはなるのですが今度は眠くなってしまいます。それで眠気覚ましにコーヒーを飲んで、ということをずっと繰り返していました。鼻が詰まると集中できなくてイライラします。そうすると余計に鼻が詰まってきて本当に辛かったです。
それがほぼ完治したのは柔道整復師の資格を取って、整形外科のリハビリ室で研修するようになってからです。リハビリ室の上司には鍼灸マッサージ師の先生がおられて、丁寧に手技や物理療法を教えてくださいました。それで何かの話からアレルギー鼻炎の話題になって、「頭蓋骨を調整すると楽になるよ。」と言って施術してもらいました。現在使っている頭蓋仙骨療法とは違って結構痛い手技でしたが、確かに施術後鼻が通るようになりました。何回か施術してもらう間にあれだけしんどかった鼻詰まりがほとんど気にならなくなったのです。手技療法のすごさと奥深さを認識させられたことでした。
それから整骨院を開業して、数年後にオステオパシーを臨床で使い始めました。頭蓋骨の調整法も何種類かできるようになり、師匠に教わった「痛い」手技を使わなくても鼻詰まりに対応できるようになりました。頭蓋仙骨療法で普通に頭蓋骨を調整していくと自然と鼻は通っていくことが多いですし、それでもだめならカウンターストレインという手技を使えばほぼ鼻詰まりは軽快させることが可能になりました。
そんな時、家人がアレルギー性鼻炎になりました。一時期郊外に住んでいて、それから都会に戻ってきましたのでスギ花粉か何かのアレルギー反応が起きていたのだと思います。
それなら任しとけ、ということで仰向けに寝かせて頭蓋骨を調整しようとしたら、「怖い」と言って起き上がってきます。家人のいわく、「鼻が詰まってそのまま息ができなくなって死んでしまいそうな恐怖感」を感じるといいます。ちょっとパニックになっている状態みたいです。薬を飲んでも効かないしどうしたものかちょっと考えました。
それで思いついたのが「爪もみ」です。ご存知でしょうか。手足の爪の付け根を刺激すると自律神経が整い、さまざまな症状に有効とされるセルフケアの手法です。これなら座ったままでできるし怖くないだろう、ということで家人の爪の付け根(井穴:せいけつと言って東洋医学のツボ)を刺激してみました。結構痛がっていたのですが10本の手指の井穴を刺激するとちょっと鼻が通りました。何日か「爪もみ」を続けるうちにあおむけでの頭蓋骨調整も受けられるようになって、いつしか家人のアレルギー性鼻炎は治っていきました。
10年以上前の家人のアレルギー性鼻炎の話を思い出したのはわけがあります。先日拝見した患者さんの愁訴のひとつが「鼻詰まり」でした。ふつうに頭蓋骨を調整していくとどこかで「すっ」と鼻が通ってくれるはずなのですが、眠っておられる息遣いがなんとなくしんどそうです。患者さんご本人は気持ち良くおやすみくださっているのですが、脳のどこかで自律神経の混乱が起きているのだろうと見当をつけました。
眠っている方の井穴を刺激して痛い思いをさせるのは気の毒です。思いついて鎖骨下を触診してみました。ストレスやトラウマによる症状の時に調整する部位です。いつもならここも圧痛を調べるのですが、今回は鎖骨下の筋肉をそっと触診して、緊張を緩めてみました。するとどうでしょう、鼻の呼吸が通ってくれたのです。花粉症はアレルギー性鼻「炎」ですから頭蓋骨を調整して炎症を起こしている組織の循環を良くしてあげると理屈上は軽快します。それがうまくいかない時は自律神経が混乱しているのを調整するといいみたいです。交通整理みたいなものでしょうか。
できることなら鼻が詰まってイライラしている十代の私自身を治療してやりたいものです。
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