滲出性中耳炎は手技療法で改善する
「耳管のストレッチ」で癒着を剥がす
滲出性中耳炎が治らなくてお困りのケースを拝見したことがあります。カイロプラクティックのテキストには、両耳をつまんで側方にアジャストをかける、みたいなことが書かれていますが、痛いだけであんまり効果がありません。私の得意技?の「耳引っぱり」でも悪いほうの耳が全然緩んでくれません。
「耳管のストレッチ」という手技があります。上顎骨と耳介とで引っ張り合いっこをして癒着を剥がしていく手技です。これを行うと徐々に症状が改善していきました。
案外いろんな症状が手技療法で治る
滲出性中耳炎を手技療法で治す、という発想そのものがたぶん耳鼻科にはありませんし(鼻から空気を通して行うガッコウ通気というのがたぶん似たような原理ではあります)、整骨院に滲出性中耳炎の改善を目的に通う方も少ないでしょう。でも案外いろんな症状が手技療法で治るものなんですよ。
頭蓋骨を調整していて癒着の痕跡がある方は時折拝見します。愁訴は頭痛であったり集中力がなかったりというのが中心ですけれど、
耳のくっついている側頭骨と骨盤の寛骨がシンクロしていますから、ななかなか改善しない腰痛の患者さんの原因が滲出性中耳炎の名残の側頭骨の癒着、というわけのわからない話になることもあります。
腰痛で整骨院に言ったら「中耳炎の名残がある」とか言って耳を引っ張られた。話だけ聞くと怪しさ満載ですよね。それが頭蓋仙骨療法を必要以上にスピリチュアルっぽく見せているところもあるかもしれません。人間の身体は確かに精妙で神秘的ではあるのですが、頭蓋仙骨療法は「押せば引っ込む、引けば出っ張る」のきわめて物理的な治療法です。