膝の痛みは体重を減らせば治る?
健康状態と膝の痛み
おかげさまで齢60を過ぎても特段悪いところはありません。ジャンクフードも食し、アルコール飲料も結構飲むのですが血液検査もほぼ正常。ただ、数年前に半月板を傷めてから時折膝が痛みます。膝の痛みの原因として挙げられる二大要因は「変形性膝関節症」と「肥満」です。確かに私の体重は現在100キロを超えますからそのせいで膝が痛いんだろうと思われても無理はありません。
運動時の膝の痛み
今朝、ちょっと膝が痛みました。通勤時に地下鉄の階段を歩いていると「ずきん」と響きます。施術所に着いて何やかや準備をしていても膝を伸ばすときに痛いです。商売柄、あまりあちこちが痛いとは言いづらいところがあって、患者さんの予約時間までに痛みを取っておいたほうがよさそうです。
粒鍼の使用方法
最近気に入って使っている「粒鍼」をあちこちに貼付します。粒鍼とは医療用具の一種で、米粒くらいの金属粒を絆創膏で身体のあちこちに貼ります。「粒鍼」という名称はついていますが、鍼灸の免許がない柔道整復師の私でも患者さんに使うことができます。
最初はかかと。足の裏、かかと(踵骨)の内側に粒鍼を貼ります。ここは足底腱膜炎の好発するところです。起立時に体重が集中してかかる部位です。ここに粒鍼を貼付することで足裏の筋肉の緊張を緩和します。
経穴「翳風」と歩行バランス
次に貼るのは「翳風」という経穴です。耳の後ろ側、あくびして口を開けたときにちょっとだけ凹むところです。ここは歩行のバランスを取ります。たとえば足関節捻挫の患者さんに施術をした後で歩行してもらいます。翳風に粒鍼を貼付したときとしていないときで歩きやすさに違いが出ます。
踵骨内側と翳風とに粒鍼を貼付して膝を屈伸してみると大まか楽です。あと思いついて鎖骨下の圧痛にも粒鍼を貼付してみました。ここを刺激すると歩幅が大きくなります。腕の緊張が緩んだせいで歩行時に大きく腕を振るようになり、それに合わせて歩幅が大きくなるのだと知り合いの理学療法士の先生が教えてくださいました。
以上6か所に粒鍼を貼付してみると…、どうでしょう、あれだけ痛かった膝がほぼ無痛です。もちろん実際の患者さんに施術するときは膝そのものも調整しますけれど、膝には触れることなく痛みを軽減することができます。
変形性関節症と体重の影響
それから当たり前の話ではあるのですが、もし私の膝に変形性関節症があってもそれには変化はありません。もちろん体重も…、減ってはいませんよね。太っていることが健康にどれだけ悪影響を与えているのかは私の知るところではありませんが、少なくとも膝の痛みの直接の原因ではなさそうです。下肢にかかる筋肉の緊張を緩めて歩行のバランスを整えると、体重は減らないですが膝の痛みは減少します。