骨粗鬆症は「不治の病」か

骨粗鬆症に関する一般的な誤解

骨粗鬆症はご存知ですね。「齢を取ると骨がスカスカになって骨折しやすくなる。そのまま寝たきりになる。」ということを主張する人たちがいます。骨粗鬆症によって確かに骨はもろくなって、骨折しやすくはなります。ただし、骨折=寝たきり、という構図は現在ではあんまり一般的ではありません。

かつて寝たきりの原因となっていたのは大腿骨頚部骨折、脚の付け根の骨折です。ここは骨粗鬆症によって骨折しやすく、いったん骨折してしまうと骨癒合しにくいので長期臥床を強いられその結果寝たきりになってしまうことがありました。

それでも骨粗鬆症を恐れる人は多い

ただし現在は観血療法、手術が治療の主流になっていて大腿骨頚部骨折で寝たきりになる人の数はグンと減少しました。私が医療専門学校に通って骨折やら脱臼やらについて勉強していた昭和の終わりころでも、大腿骨頚部骨折は観血療法の適応と習っていました。骨粗鬆症は老化現象のひとつであって必要以上に恐れる必要はないというのが現在の整形外科学のスタンダードであるそうです。それでも高齢の方の骨粗鬆症に対する恐怖心はまだまだ存在しています。それは現在高齢の方が若いころ、大腿骨頚部骨折で寝たきりになった方の事例を見聞きしてこられたからだと思います。

なので「骨密度測定」なんてイベントは今でも人気です。たいていは「骨密度を高める」健康食品を商っている人たちが主催しておられるようで、そういう人にとっては骨粗鬆症が「不治の病」のようにとらえられている方が都合がいいのでしょう。

骨密度よりも転倒予防

ただし大腿骨頚部骨折の予防には、骨密度より転倒予防のほうが重視されています。カルシウムの摂取量で言えば、欧米人の方が日本人よりはるかに大量のカルシウムを摂取しているにもかかわらず、骨粗鬆症の人が多いことがわかっています。

それから骨粗鬆症や骨折の予防のために摂取が薦められているのは、「緑茶」です。高価なサプリメントを摂取するよりそのお金でおいしいものを食べたほうが健康には良さそうに思うのですがどんなもんでしょうか。

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