長時間のパソコン作業から「姿勢を守る」方法
パソコン作業と姿勢の関係
お世話になっている医師から電話がありました。「パソコンをずっと見ていると姿勢が崩れる。対処法はないか?」とのお訊ねです。肩こりとか首凝り、眼精疲労や腰痛などに悩む患者さんがそれだけおられるということなのでしょう。
体操とかストレッチとかそういうものを期待しておられたのだと思うのですが、私は「眼」のケアをいくつかお伝えしました。「眼」?
眼のケアの重要性
眼を酷使すると股関節を屈曲させる腸腰筋が緊張します。股関節がちゃんと伸びなくなるということです。ちなみにパソコンの前に座ってその姿勢から股関節を曲げていってみてください。足の位置はそのままですから上体が傾きますね。顔はパソコンのモニターを見なければなりませんから首を反らせる姿勢になります。背中を丸め、顔を前に突き出した姿勢の出来上がりです。
パソコンが普及していなかった時代でも、熱中して読書しているとこういう姿勢になりがちでした。書籍に顔を近づける姿勢ですから「眼が近いよ」と保護者に言われた経験をお持ちの方もおられるかと思います。
腸腰筋のほかに顎を動かす咀嚼筋、特に咬筋も緊張しますから肩が凝ったり頭痛がしたりもします。パソコンを長時間見た後のケアはどうしたらいいでしょうか。
眼を温める
まず眼を温めます。薬局で売られている眼専用のホットパックでもおしぼりでもかまいません。それで直接眼玉を温めて血行を良くします。もぐさメーカーの疲れ目ケアのデモを見せてもらった時は、五百円玉くらいの陶器の円板を眼に載せて(当然眼は閉じておきます)もぐさを乗せ、そこに火をつけます。私もやってもらいましたが適度な暖かさできもち良かったです。
自分の手のひらで眼を温めることもできます。初めに両方の手のひらを一分間くらいこすり合わせます。それから両方の手のひらの真ん中のくぼみを眼に当てます。そのまま数分間手を当てておきます。これは手のひらの熱というより、手のひらの中央からわずかに出ている磁気が血液中の鉄分を引き付けることによって眼に血液を集める、と教わりました。
眼の体操と姿勢改善
緊張した眼玉をリラックスさせる体操というのもあります。両眼で上の方を見ます。そのまま7秒間じっとしています。次は下を同じく両眼で7秒間見ます。続いて右、左と7秒ずつ眼玉を動かします。眼にはごく小さな筋肉がくっついていて、この筋肉が眼の焦点を合わせる時に働きます。ずっとパソコンのモニターを見ているということはこれらの筋肉がずっと緊張したままということです。それは疲れますよ、眼玉。なので眼を動かす筋肉を自力でストレッチすることで緊張が緩み、腸腰筋の緊張も同時に緩みます。姿勢がよくないと周りから言われている方、一度お試しを。