休日の急性腰痛:整体やカイロプラクティックは頼れるか?

急性腰痛が発生した時の対処法

例えば夏季や年末年始で医療機関が長期に休診しているときに、ギックリ腰になられたことはないでしょうか。そんな時にどうしたらいいか、という話です。補完・代替医療に籍を置くものの発言としては不思議に思われるかもしれませんが、可能であればお住まいの地域の「休日・急病診療所(地域によって多少名称は異なります)」の受診をおすすめします。「地域名+休日診療」で検索をかければ見つかるはずです。急に発生した腰痛でも原因はいろいろです。なかには生命にかかわるような疾患が隠れている可能性も皆無ではありません。可能であればできるだけ、医師の診察を受けるようになさってください。

「休日・急病診療」で受診したけれど、レントゲン撮って「異常ありませんね」と言われて痛み止めと湿布薬しか出してもらえなかったという話はよく聞きます。それでいいんです。痛み止めを飲んで湿布を貼って、いくばくかでも痛みが和らぐのであれば安静にしてテレビでもご覧になって休日を過ごすのも「あり」だと私は思います。私の主観ですけれど、休日に急性腰痛を起こす人はものすごく多忙な方が多いです。腰痛は脳からの「ちょっと休んだ方がいいのと違うか?」というメッセージである可能性があるからです。

整体やカイロプラクティックの選び方

医療機関での処置に満足できなかったとき、どうしても動かなければならない事情があるときにたぶん医療機関(医師の診察治療)以外の治療法の受診を考えられると思います。整体であるとかカイロプラクティックとか。そういうところは休日でも受付しているところがたくさんあります。さて、どこにしましょうか。

お住まいの地域名+腰痛、とか地域名+整体とかで検索をかけるとイヤというほど施術所や治療院の類は出てきます。いくつかのサイトに目星をつけたらまずチェックするべきは「院長プロフィール」「スタッフ紹介」などの項目です。ここで施術を行うセラピストが厚生労働大臣免許を持っているかどうかを真っ先に確認してください。日本国内で適法に手技療法を行うことのできる資格は「あん摩マッサージ指圧師」「柔道整復師」「理学療法士」だけです。いずれも厚生労働大臣免許です。それ以外の資格は、いずれも民間資格です。たとえ海外の大学を卒業していようが(外国の)医学博士号を取得していようが、上記3つの資格以外はすべて例外なく民間資格です。施術所の名称が「整体」や「カイロプラクティック」であっても、施術を行うセラピストがこれらの資格を有しているところと民間資格のセラピストしかいないところがあることは実はあんまり知られていません。

民間資格と厚生労働大臣免許の違い

治療技術については民間資格のセラピストでもとんでもなくうまい人もいます。なのでそういうセラピストの施術を受けてもうまく腰痛は軽快するのかもしれません。ただ、民間資格のセラピストは治療以前の知識が決定的に不足しています。解剖学や生理学などの基礎医学や整形外科学などの臨床医学の知識が担保されていないということです。厚生労働省免許のセラピストが3年間かけてそれらの学問をを学ぶのに対して、民間資格のセラピストは数か月、数週間、ひどい場合は数時間の講義しか受けずに臨床の現場に出てきます。自動車の運転にたとえるなら運転の方法は知っているけれど交通ルールをほとんど知らないドライバーが公道や高速道路を他人を乗せてビュンビュン走っている、ということです。そういうドライバーに命を預けるのはなかなか度胸のいる行為だと思うのですがいかがでしょうか。

補完・代替医療という名称があります。鍼灸マッサージや柔道整復などは「医業類似行為」という名称で呼ばれることもあります。法的にこれらの資格の業務は医業(医師の業務)の一部を行うことなので医業の代替行為という意味合いでこの名称があります。無資格のセラピストの施術は法的には「リラクゼーション」であり、医業の代替にはなりません。特に医療機関の受診が困難な長期休暇の際は、注意が必要です。

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