顎関節症を改善するツボ

口が痛くて開けられない状態を「顎関節症」と総称します。原因としては1.靭帯・関節包の異常 2.咀嚼筋の異常 3.関節円板の異常 4.変形性関節症 5.その他、という風に分類されています。「その他」というのはストレスによるものとされます。歯科領域のような整形外科領域のような微妙な立ち位置の傷病ですが、「整形外科学」とタイトルのついたテキストで顎関節症や顎関節脱臼の項目があるものを私は見たことがありません。

顎関節脱臼は柔道整復の領域に含まれますから当然顎関節症についてもテキストに出てきます。関節円板が嵌頓して開口時にクリックが出るケースでは治る治らないは半々くらい、と初見時に説明をしていますがその他のパターンでは割とうまいこと治ってくださることが多いです。顎周辺の軟部組織の緊張を緩めることと下顎骨だけではなく上顎骨や側頭骨の調整を行うことで口を開ける時の痛みはずいぶん改善します。

顎関節の緊張を緩める時に、患者さんに眼を見開いていただくと脳内で反射が起きて咀嚼筋が緩む、という話はほうぼうで書きましたからどこかでお読みになったかもしれません。

顎の緊張を緩める時に、耳の裏側の口を開けるとちょっと凹むところを刺激します。翳風(えいふう)というツボ(経穴)です。当院では特殊な医用の金属粒を貼付しますが、ご自宅では絆創膏やテーピング用テープを使って頂いても効果があります。100均で売られている磁気治療用の磁石を貼りかえるためのシールが安価で目的にかなっているかもしれません。翳風にテープを貼付すると開口幅が大きくなることが歯科大学の研究でわかっています。貼付後、咬筋の温度が上昇するのはそれだけ血行が改善されているということでしょう。顎関節とは直接関係しませんが、貼付後血圧も安定します。

一般の方が顎関節の調整をご自分で行うのはちょっと無理がありますが、テープの貼付なら簡単にできて効果も高いです。

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