チック症と発達障害

チック症は発達障害と併発していることも多い

落ち着きがないとか集中力がないとか、主として学習面での困りごとのご相談を受けることが時々あります。「ほかにお困りの症状はありますか」と(付き添いの保護者の方に)伺うと「チックがある」というお答えが返ってくることが多いです。ぱちぱち瞬きをするとか、ぎゅっと眼をつぶるとか、咳払いをするとか症状はいろいろです。

以前、うちの治療院で「チック症でお困りの方に効果のあるツボをお教えします」という催しをしたことがあります。その際おいでになった方の八割がたが学習面やその他発達での困りごとをお持ちでした。むしろチックよりそちらの方が困るのではないか、と思われる方もおられました。そんなふうに考えるとチック症と発達障害とには何らかの関係性がありそうに思われます。

チック症と発達障害でお困りの子供さんに起こっていること

チック症と発達障害、どちらが主訴でおいでになったケースでも身体に特徴的な症状が見られます。仰向けになって寝たときに膝が診察台から浮き上がっているのです。ようは膝裏が診察台にちゃんとついていない状態です。これは股関節がきちんと伸びていないということです。股関節を伸ばす「大腰筋」という筋肉が緊張したままになっている状態です。

発達や学習に問題のある子供さんはお尻を突き出したような独特の姿勢で歩きますが、これも大腰筋が緊張しているからです。

それだけではありません。子供さんをうつ伏せにして両脚をそろえてみると、たいていは右脚が短いです。履きつぶした靴を見てみるとどちらかの外かかとが極端に斜め減りしています。こういう状態を「骨盤がズレている」というセラピストがいますが、実際には骨盤そのものには問題がないことが大半です。左右の脚の長さに違いがあるのは骨盤周辺の筋肉が緊張することによって骨盤が「たわんだ」ことが原因です。

チック症改善のカギは「緊張」

チックが頻発する状況を思い出してください。何らかの理由でストレスを感じていたり緊張していたり、ということはないでしょうか。心が緊張するとそれに合わせて身体も緊張します。肩が凝ったときにマッサージを受けるとゆったりした気分になりますよね。そんなふうに身体の緊張を緩めることで心の緊張も緩和できる、ということです。

言い換えればチックは心にストレスや緊張があるときに、それを緩和するセルフケアということです。

チックにせよ発達障害にせよ、感受性が豊かで繊細なタイプの子供さんによく見られます。ほかの人が気にならない程度の事柄がストレスとして感じられてしまうということです。そうしてそれが一定量を超えてしまうとチックへの衝動が起きてしまいます。逆に言えば心身の緊張をこまめに調整しておけばチック症は改善できる、ということです。

チックを改善するための手段として最近手首に一定のリズムで電流を流す、という方法が研究されているそうです。ここは東洋医学で「大陵」と言ってリラックスのためのツボとされます。緊張した時には電流を流す代わりに自分で手首をマッサージしてもチックが起きるのを防ぐことができます。

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