世界一よく効く?腰痛体操

急性腰痛(ギックリ腰)は、腰に無理な力が加わったときに腰周辺の筋肉が緊張して動きを止め、腰の損傷を防ぐための反応です。電車でも自動車でも走行中に異常が感知されればとりあえず停車して点検、修理をしますよね。それと同じことです。

ただ難儀なことに人間の場合は腰への無理な外力が無くなった後も、筋肉はしつこく緊張して動きを阻止しようとします。

「羹(あつもの)に懲りてなますを吹く」ということわざがあります。熱々のシチューを食べて口をやけどした人が、それに懲りてサラダを食べる時にふうふう吹いて食べた、くらいの意味です。不必要で大げさな用心を嘲笑するニュアンスでしょうか。ことわざというのは人間の本質を短い言葉で表した、きょう日の言葉で言えば「あるある」ですから、人間はそれだけ用心深いイキモノなのでしょう。

腰痛治療というのは用心して緊張を続けている腰周りの筋肉に、「もう安全だから動いても大丈夫だよ」ということを説得する行為です。ちょっとずつちょっとずつ動きながら「動いても大丈夫なんだな」ということを腰に納得させなければなりません。

筋肉が緊張して関節が動かないのであれば、少しずつ関節に動きをつけることで筋肉は緩んでいくはずです。腰痛の患者さんに私がお勧めしている「ゴムバンド体操」は私が私淑している自然良能会の五味雅吉先生が考案されたものです。骨盤に伸縮性のあるバンドをちょっと強い目に巻きます。痛むのは腰ですけれど、バンドを巻くのは骨盤部です。専用のゴムバンドが売られていますけれど、自転車のタイヤチューブでも伝線のいったストッキングでもかまいません。和装に使う伊達締めがあればおすすめです。バンドを骨盤に巻いた時点で腰の痛みが楽になるのを感じるかもしれません。

バンドで骨盤を締めたら足を肩幅に開き、フラフープの要領で腰を回します。できるだけ大きく。左右30回で1セット。一日3セットを目標にやってみてください。弾力のあるバンドを巻いて腰回しをすることで、緊張していた骨盤周辺の筋肉の緊張が緩んできます。バンドの弾力で滞っていた血流が改善してきます。筋肉の緊張が緩むと腰をさらに大きく回すことができるようになってきます。

それからこの体操の優れたところは、腰回しをしないときでも、バンドを骨盤に巻いておくと日常生活での動きがすべて骨盤周りの緊張緩和の働きをしてくれることです。お寝みの時以外はずっとバンドを巻いておかれると、腰痛の予防にもなります。

緊張している筋肉をストレッチしてもなかなか緩んではくれません。骨盤バンドを巻いて体操することで無理なく腰痛のケアをすることが可能です。

参考:腰痛バンドは巻き方で効いたり効かなかったりする

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