脚外側の痛み

腸脛靭帯

太腿の外側が痛い、という患者さん。「坐骨神経やろか?」坐骨神経痛は太腿の裏側に出ますから違います。股関節外側、大腿骨の辺りを丁寧に触診していくと、「ぎえっ」というほどの圧痛がありました。

太腿の外側には「腸脛靭帯」という太っとい靭帯があります。骨盤(腸骨)と脛骨のあいだにあるから腸脛靭帯。大腿骨近位(股関節に近い側)に大転子という骨のでっぱりがあって、腸脛靭帯と摩擦を起こします。股関節を屈伸するときに「ぽきぽき」という音を感じたり引っ掛かり感があったりします。「弾発股」「ばね股」という名称がついています。

今回のケースはもっと痛みが強いですし、ポキポキ音も蝕知できません。でもまあ圧痛をモニターしながら股関節の位置を変えていくと圧痛が消えました。そのまま90秒間同じ姿勢を取らせておくと圧痛はきれいに消えました。歩いてみてもらうと「全然痛くない」と喜んでくださいました。

腸脛靭帯は大腿骨の遠位(膝に近い側)でも摩擦を生じます。大腿骨外顆という骨のでっぱりとこすれあって炎症を起こします。膝の外側に痛みが出現します。腸脛靭帯炎とかランナー膝という名称で知られていてO脚の人に多いとされています。こちらも外顆の圧痛をモニターしながら膝を調整すると楽になります。

私は以前、医療関係の専門学校で教えていました。腸脛靭帯と大腿骨のあいだの摩擦による症状ですから弾発股と腸脛靭帯炎を混同する学生が多かったことを記憶しています。試験で引っ掛け問題をたくさん出題する、今から思えばイヤな講師でした。

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