半身浴の効果は「冷えをとる」こと。

半身浴

健康を維持するために「冷え」を解消することが大切だということはどなたでもご存知です。それでは冷えの定義はご存知でしょうか。

「冷え」とは上半身よりも下半身の温度が低いことを言います。なので夏場であっても冷えは存在します。下半身の温度が低いということは血行の不良を意味します。「足は第二の心臓」という言葉を聞かれたことがあると思います。血液は上半身から下半身には容易に流れます。「低きに流れる」のは水だけではなく、血液も同様です。ところが上半身に還流するためには重力に逆らって血液を送り出すためのエネルギーが必要になります。

下半身から上半身に血液を送り返すためのエネルギーは下肢の筋肉運動です。下肢の筋肉が運動する際に、筋繊維の収縮によって絞り出すように血液を上半身に還流していきます。この仕組みをヴェノ・プレッサー(静脈圧縮機構)と呼びます。ちょうど心臓が動脈血を全身に送り出すように、足は(下肢は)静脈血を上半身に還流します。

ところが現代人は歩きません。そのためヴェノ・プレッサーが十分に機能しないので下半身からの静脈血はそのまま滞ることとなります。その結果が「冷え」でありむくみです。冷えを訴える人に足のむくみが多い理由がこれです。

静脈血がうっ滞している状態では、全身に酸素が行き渡りませんから様々な不調が起きてきます。慢性的な肩こりや頭痛、腰痛などなど。

「冷え」を解消するためには温めればいいわけです。ただし全身浴やサウナは冷えの解消にはあまり役に立たないです。冷えが上半身と下半身の温度差を意味するのであれば全身を均等に温めても意味のないことは理解していただけるかと思います。それでお勧めするのが「半身浴」です。

浴槽に半分くらいのお湯を張るか、または浴槽内に腰かけなどを置いて、浸かった時に上半身(へそから上くらい)がお湯の外に出るようにします。下半身だけが浴槽内のお湯につかった状態ですね。そのままで通常より長い間、30分くらい浸かっています。心臓が水圧を受けませんから長時間入浴しても疲れにくいです。もちろん無理はしないでくださいね。

そうやって浸かっていると、汗が滝のように出てきます。それからなかなか湯冷めしません。冬場などもし上半身が寒いようでしたら肩までつかる全身浴と、半身浴を五分くらいづつ交代で行ってもいいです。下半身の浸かっている時間が上半身より長ければ冷えは改善します。

肩こりや腰痛のセルフケアとしては一番簡単かもしれません。ただ、血流が改善するということは時にとんでもない効果があるようで、慢性関節リュウマチで変形した手が改善したという報告を読んだことがあります。後、二日酔いにも大変効きます。

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