痛みを表現する言葉(ペインスコアについて)

ペインスコア

たとえばここにリンゴがあります。このりんごの外観は皮のところに傷があったりして良くない。食べてみるととってもおいしい。そういうリンゴ。このリンゴについて説明するのに次の二つの文が考えられます。

1、このリンゴは外見はよくないけどおいしい。

2、このリンゴはおいしいけど外見がよくない。

同じ言葉を使って同じリンゴについて表現しても意味が正反対になるのはお判りでしょうか。このリンゴを買って食べたい人の言葉は1、買いたくない人の言葉は2、ですよね。

入学試験の現代文を解くときのテクニックとして「逆説の後ろに言いたいことの中心が来る」というのがあります。

ですから1の文ではよくないけど、の「けど」が逆説なのでおいしいというプラス評価が言いたいことの中心。2の文ではおいしいけど、の「けど」に続く外見がよくないが言いたいことの中心です。

かわいくて意地悪な女の子を「好きだ」という男の子と「好きじゃない」という男の子のセリフをそれぞれ考えてみましょう、なんてことを学習塾や予備校で私はやっていたわけです。

でも実は治療院でも同じことです。痛みのあるクライアントが来院されて八割がた痛みが取れました。このときに、

1、まだ痛みは残っているけど、だいぶ楽になった。というのと

2、だいぶ楽にはなったけど、まだ痛みが残っている。では全然違いますよね。

2、のパターンでその人の考えが「痛み」にフォーカスしてしまうとその人は「どこか痛いところはないか」と常に痛みを探すようになってしまいます。これは体に痛みを感じろ、と命令しているのと同じです。

1、のパターンのように「楽になった」ことにフォーカスしてもらうとどんどん体がいいほうに変化していきます。

だから痛みを扱う場合には5段階評価で「辛抱できないくらいの痛み」を5、「全然痛くない」のを0とすれば今の痛みはどのくらい?ということをうかがうことがあります。同じ質問を施術の前後で行います。施術前の数値が4だったのが2になったならばそれだけ痛みが軽減したことがわかります。画像ではフェイススケールとなっていますけれど同じものです。

これによって施術の効果も数値的に評価できますし何よりも患者さんが「どのくらい痛みが軽快したか」ということを認識してくださるので体がよい変化をしていき、結果的に早く治ります。この評価法をペインスコアといいます。

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