デフォルテ・モード・ネットワーク=脳のアイドリング

脳と頭蓋骨

デフォルテ・モード・ネットワークという言葉をご存じでしょうか。ぼんやりとした状態の脳が行っている精神活動のことを言います。単純作業とか散歩とかランニングをしているときの脳の状態ともいえるでしょう。この言葉を話題にしている文章のほとんどで「自動車のアイドリング」にたとえられています。どういう役割をしているのかというと、「記憶や情報の取捨選択、整理」と「創造、アイディアを生み出す」働きです。

何も考えずに散歩しているときに、ふといいアイディアが浮かんだりするでしょう?アーティストがメロディとか歌詞とかが「降りてきた」という状態ですね。アーティストにしても私たち一般人の仕事にしても、無から有を生み出すのではなく、頭の中にストックしている膨大な量の情報をあれこれ組み合わせてアイディアにするわけで、そのための取捨選択が私たちが「何も考えていない」時に脳内で行われているということなのでしょう。

ただ、自動車がアイドリングを続けていても前に進むことも目的地に着くこともありません。それどころか熱がこもってしまいエンジンに悪影響が出ることもあるでしょう。同様にずっとデフォルテ・モード・ネットワークが活性化されたままだと脳はしんどくなってしまいます。ぼんやりしているのだからエネルギーを消費しないだろうと思ってしまいがちなのですが、デフォルテ・モード・ネットワークは脳のエネルギーを大量に消費します。休日に「何もせずにぼおっと一日過ごしていたらかえって疲れた」という経験はありませんか。

それからデフォルテ・モード・ネットワークがトラウマを「暴走」させてしまうことがあります。何か記憶に残っているイヤな記憶はありませんか。日常生活をしているときには全然思い出さないのですけれど、ちょっと一休みというときにそのイヤな記憶を突然思い出したりすることがありますよね。そうなってしまうとその記憶がフラッシュバック、堂々巡りを始めてしまいます。リラックスした時に、記憶を整理しようとするデフォルテ・モード・ネットワークが活性化したことによりこういうことが起きてしまうのでしょう。「あの時こうしておけばよかった。」みたいな考えが際限なく出てきて止まらなくなります。ずっと昔にあったイヤな経験がいまだにフラッシュバックすることも決して珍しくありません。こういう堂々巡りのことを「反芻思考」といいます。この反芻思考もまた多量のエネルギーを消費して脳疲労の原因となります。それから副次的に様々な心身の症状を起こすこともあります。

おそらく人間は忘れてしまいたくてもなかなか忘れることのできないようなイヤな記憶、トラウマを脳の片隅に封印してしまうのだと思います。それがデフォルテ・モード・ネットワークの活性化によって復活してしまうのでしょう。よみがえって行き場を失ったトラウマが脳の中を堂々巡りするのがフラッシュバックということだと考えています。

脳疲労を回復させ、トラウマの暴走を止めるためにはデフォルテ・モード・ネットワークのオンとオフの切り替えを行う必要があります。そのために勧められるのが瞑想です。ただ、小さな声でいうのですけれど瞑想で「いま、ここ」に集中しようとするのは割と難しそうです。ちょっと隙を見せると?デフォルテ・モード・ネットワークが活性化してしまいそうです。そういう時は手前味噌ですけれどオステオパシーの頭蓋仙骨療法が有効です。施術中の感覚が瞑想時に似ているというのはヨガの実践者や僧籍をお持ちの方から伺っていますから保証付きです。アイドリング状態のまま放置すれば自動車のバッテリーは上がってしまいます。一度思考をゼロにして脳をニュートラルにするということは、自動車のエンジンを切ってオーバーヒートの危機を回避することだと思います。。

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