緊張のサイン(集中力がないのはやる気やしつけの問題ではない)

子供さんの集中力がない、とかケアレスミスを繰り返してテストで点が取れないとかいうのは、性格とかやる気の問題ではなく、「身体の緊張」という機械的な原因によります。 

まずは子供さんの身体が緊張しているかどうかを調べてみましょう。 

1.脚の長さが左右で異なる 
 子供さんをうつぶせにして左右の脚の長さを比べてみます。左右の脚長差を調べるのは本来専門的な知識が必要なのですが、おそらくお子さんの左右の脚の長さは素人のお母さんがご覧になっても一目瞭然なほど違っています。一般的には右脚が短いです。 よくわからない時は子供さんの履いている靴を見てください。どちらかの外かかとが異様にすり減っているはずです。骨盤周辺の筋肉が緊張して骨盤が「たわんだ」状態です。

2.排泄に何らかの問題がある 
 極端な頻尿。今トイレに行ったばかりなのにすぐまたトイレに行きたがる。授業中も頻繁にトイレに行く。場合によって夜尿症がある。便秘や下痢を繰り返す。 そんなことはありませんか。骨盤がたわむと骨盤内臓器が圧迫されて排泄の問題が起きやすいです。同じ理由でひどい生理痛やPMSなども緊張の強い子供さんに多いです。

3.チック 
 目を急に「くしゃっ」とする。顔をしかめる。喉の奥を「きゅっ、きゅっ」と鳴らす。からえずき。チック症状と言って思いつくのはこんなところでしょうか。でもほかにもチック症状はあります。自分で首を左右に振って、骨をボキボキ鳴らすとか、座っている椅子の背もたれをつかんで体を捻じり背骨を鳴らしたりするのもチックの一種です。一見すると「なんでそんなことするの?」という行為ですが 子供さんはそうやって緊張を一時的にでも解消しようとしています。チック症状は子供さんの「SOS」のサインと言えるかもしれません。

4.聞き落とし、聞き間違いが多い
「先生の話を聞きながらノートが取れない」生徒は近年ものすごく増えました。それだけではなく口頭での伝達が苦手な子供さんが増えています。そういうケースでは聴覚過敏を伴うことも多いです。音として聞こえていてもそれを情報として脳に伝えることが不得手ということです。最近になってAPD/LiD(聴覚情報処理障害・聞き取り困難)という概念が知られるようになってきました。発達の問題と同様に「脳の特性」と考えられています。ただ、今までご相談を受けて治療したケースでは幼児期の中耳炎の名残で耳管が癒着しているとか、聴覚を調整する筋肉が脳疲労によって緊張している、ということも多いです。

5.姿勢が良くない
現代医学的には理由は解明されていないのですが、目を酷使すると股関節を屈曲させる「腸腰筋」が緊張することが知られています。この筋肉が緊張すると股関節がちゃんと伸びません。椅子に座っているときに「体育すわり」のように膝を抱え込んだり反対に授業中に机に突っ伏すようにして授業を受けたり、姿勢が崩れてしまいます。「授業態度が悪い」と先生からマークされたりすることもありますが、これは行儀の問題ではなく、そうしないとカラダがつらくてしんどくてどうしようもないからこういう姿勢をとっているのです。腸腰筋が緊張している子は、仰向けに寝かせてみると膝の裏がベッドから浮いています。専門的には「トーマステスト」という検査法が陽性になります。

どうでしょうか。お子さんに当てはまるものがありましたでしょうか。これらはみんな心身の緊張のサインです。 いくら叱っても教え諭しても、緊張を解放しなければなかなか集中力はつきません。

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