夜尿症は緊張を緩めると治る

夜尿症のご相談を受けることがたまにあります。ふつうは仙骨を調整するとその晩は大量におねしょして、それからぴたりとやむことが多いです。仙骨3番に膀胱のスイッチがあって、それがうまく機能していないんですよ、と親御さんには説明します。

発達とか学習でお困りのお子さんは、夜尿症でも困っていることが多いです。夜尿症でなくても頻尿で学校生活に支障が出ることもあります。ところがこちらは難儀なことに仙骨の調整が奏功してくれません。発達とか学習と排泄の問題、両者には何か関係があるのでしょうか。

膀胱に一定の量尿が溜まると膀胱壁の移行上皮という部位が伸びます。膀胱の内圧が上がると「オシッコ溜まってきてるで」という信号が脳へ行きます。それで尿意を感じてトイレに行くのが一般的なパターンです。ところがトイレに行きたくなってもしばらく我慢していると尿意は収まりますよね。これは移行上皮が膀胱の内圧に応じて「広がる」からです。広がることで膀胱の容量は増えますから膀胱の内圧は減ります。その結果脳に信号がいかなくなるということです。

緊張すると尿意を感じるのは、緊張によって膀胱壁が収縮してしまうからです。その結果、すぐに膀胱はいっぱいになってしまい尿意のサインが脳に行くことになります。ちなみに高齢になって夜中にトイレに起きる原因のひとつが膀胱の弾力性が無くなって容量が減るから、だそうです。

さて、発達や学習に問題のある子供さんの心身は緊張しています。これについては再三このブログでも記事にしてきました。当然膀胱壁は緊張しますから、膀胱の容量が少なくなります。すぐに膀胱がいっぱいになったというサイン、つまり尿意が脳に伝えられるということです。起きているときであればそれは頻尿という症状になります。難儀なことに授業中に頻回にトイレに行くと、何かサボりのように考える教員がいます。「何回トイレ行くねん」「我慢できへんのか」と言われても、尿意はどうしようもありません。

眠っているときは高齢者と同じ状態です。容量が小さい膀胱ですからすぐに尿意のサインが脳に行くはずです。ところが子供さんは高齢者と違い日中の活動量が多いですから眼が覚めません。そのまま布団の中で排尿してしまうことになります。ひょっとしたら緊張のために骨盤が撓んで、仙骨に影響を及ぼしている可能性もあるかもしれません。

いずれにせよ、頭蓋仙骨療法で心身の緊張を緩めてあげると夜尿症も頻尿も改善していきます。ただ、仙骨を調整して治るケースなら1,2回で良くなるのですが緊張が強くて排尿に問題があるときはちょっと時間がかかります。

あと、修学旅行やら合宿やらのイベントがあるときは、「それまでにどうにかして治さなければ」みたいなプレッシャーを与えるとかえって逆効果です。泌尿器科に相談してお薬を処方してもらえば間違いなくイベントは無事に過ごすことができます。親御さんの焦りは子供さんに伝染して、治療を長引かせます。

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