顎関節症の原因はマスク生活

顔の筋肉

顎関節症というのはいろんな要因で「顎が痛くて口が開けられない」傷病です。コロナの流行でマスク生活を強いられていたことが原因で顎関節症が増加してきている、という指摘する歯科医師もおられます。

筋肉は思いのほかナマケモノで、使わないとすぐに機能が落ちてしまいます。マスクをしていると大きく口を開けることが日常生活でなくなります。そのために開口に関与する筋肉が弱って顎を開ける運動ができなくなったこと。これがまずは原因のひとつです。

顎周りの筋力の低下の原因として口呼吸の影響も指摘されています。いわゆるアデノイド顔貌の原因とも言われています。

ただたぶんそれだけではありません。当たり前の話ですけれどマスクはゴムで耳にかけます。日常生活で常に一定方向にゴムによるけん引力が働いている状態。これが日本では3年間続きました。頭蓋骨はひとつの骨ではなく、23個の骨がパズルのように組み合わさってできていますから一定方向の力がかかり続けることで容易にゆがみが生じます。幼児の指しゃぶりで歯並びが悪くなるのと同じ理屈です。

マスクが頬骨をずっと圧迫していると、当然その隣にある上顎骨が歪みます。上顎と下顎の噛み合わせのアンバランスが顎関節症の原因になることは以前から知られていて、マウスピースによって噛み合わせを調整する治療も行われています。ただ、咬合面だけを合わせても上顎骨と下顎骨の位置関係に歪みがあればそれに起因する顎周りの筋肉の緊張も緩和しないと思うのですがいかがでしょうか。

顎関節、というのは正式には「側頭下顎関節」と言います。下顎骨が側頭骨と関節してぶら下がっている状態です。側頭骨というのは耳のところの骨ですからマスクのテンションをまともに受けます。いっぽう頬骨とも関節していますからそちらの影響も受けます。側頭筋や咬筋が起始する側頭骨に歪みがあれば、停止部の下顎骨への影響は改善できないとも思います。

確かにマスクによる顎関節症は顎周りの筋肉のトラブルに起因するのは間違いありません。たださらにその原因として、マスクのゴムによる頭蓋骨の歪みはもっと指摘されてもいいと思います。

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