「本当にこの治療で治るのか」疑問に思った時は、

整体

腰痛でも肩凝りでもむち打ち損傷でも、治るまでにある程度時間がかかります。それから特に、痛み始めてから数か月とか数年とか、長い時間が経っている場合は治療過程のどこかで停滞期があります。初回の治療時にびっくりするくらい楽になって、それからも薄紙をはぐように順調に症状が軽減してきたのに、ここしばらくあんまり症状に変化が見られなくなってきた、という状態です。場合によっては「好転反応」が出てきて症状が後戻りしたように感じることもあります。

まず第一に、以前も書きましたように「安静にしていても痛む」とか「痛みの範囲が広がってきた」とかいうときは医療機関で診察を受けられることをお勧めします。これは補完医療の適応でない症状であるか、またはセラピストの処置が適切でないかの可能性が高いです。こういうケースで医療機関の受診を妨げる言動があったときはその治療院に通うのをやめたほうが賢明です。ダメなセラピストが「好転反応」を言い訳にするのはこういう場合が多いです。

停滞期で症状の変化を感じにくくなったときはどうするか。停滞期というのは要するに身体が治療に慣れて(あるいは飽きて)きた状態です。それで身体に生じる術前術後の変化を感じにくくなっている状態と言ってもいいでしょう。実は完治を目的とするときにはこの段階が大切です。人生の半分、十数年間苦しんできた症状が5回くらいの施術で社会復帰できた、というケースももちろんあります。でもそういうのはむしろ例外に属します。新品のパーツに交換すればすぐに元に戻る機械の修理と違って、傷んだりゆがんだりした部位を患者さん自身の自然治癒力で修復していく、そのお手伝いが整体をはじめとする手技療法です。

ものすごくしんどい状態から少し楽になると、脳はそのギャップを過大に評価しがちです。どこの医療機関に行ってもよくならなかった症状であればなおさらです。ちょうどものすごく空腹のときに食べたカップ麺(でも、コンビニのおにぎりでもいいです)がとてつもなく美味に感じるのと同じ、と言えばお判りいただけるでしょうか。でも毎日カップ麺を食べていればいずれは飽きますよね。

症状が改善していくと術前術後のギャップはどんどん小さくなっていきます。それと施術に対する慣れとが相まって「症状に変化がない」という認識をされがちになるのでしょう。症状が改善するということは、日常生活も活動的になりますから疲れも出やすくなります。好転反応と呼ばれるものです。これだけを表面的に見てみると「施術を受けてもあんまり変化がないし、なんかこのごろだるくてしんどい」ということになります。完治まであと少し、というところで患者さんが脱落してしまうのはこういうときです。そうしてそのままずるずると通院をやめてしまうと、また何かのタイミングで症状が復活してしまうこともあります。

こういう時はどうするか。まずはセラピストに相談してみましょう。まともなセラピストであればカルテをつけていますから、初診からの変化について説明してくれるでしょう。術前術後の変化についても患者さんに納得のいくような説明があるはずです。それでも納得がいかなければ医療機関で診察を受けられるのもいいかもしれません。繰り返しになりますが停滞期というのは施術後に症状の変化がわかりにくいという事であって、決して悪化したわけではありません。初診時に比べれば症状はずっと楽になっていますし、眠れるし、日常生活も不通に送ることができる状態です。

よろしくないのは友人や家族の紹介でどこかほかの治療院に行くことです。今まで通っていた治療院と違うセラピーを行うところであれば、(よっぽどのヘタクソでない限り)おそらくものすごく効果があったように感じるでしょう。「少し」楽になっただけでも脳はそれを過大評価しがちであることはさきに説明した通りです。ですからいずれ停滞期が来て…、また同じことの繰り返しになることはほぼ間違いありません。

治療院とか整体院というと怪しい感じがしますけれど、施術を行うのが厚生労働大臣免許を持ったセラピストであれば一定の知識は担保されています。自分の知識技能が及ばない範囲も認識していますから、停滞期や好転反応についても納得のいく説明が返ってくるはずです。

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