眼が疲れたら掌を当てよう(パーミングのすすめ)

手当て

パソコンやスマートフォンを一日眺めていると、当然眼が疲れてきます。眼の奥とか後頭部とかにイヤな痛みが出てきます。それから以前記事にしたように、顎や股関節の筋肉が緊張して腰痛や肩こりの原因にもなります。理想を言えば一時間パソコンを見たら十分くらいは眼を休めてほしいところです。自分の見ようとするものにピントを合わせるために眼玉には小さい筋肉がついています。ものを見る、という行為もある意味筋肉の運動と言えるわけです。適切な休息をとらないと疲れるのは当たり前ですよね。

でも、そうも言っていられないのも事実です。パソコンに向かって気が付けば三時間、なんてこともしょっちゅうあります。眼が疲れたときにちょっとしたセルフケアを覚えておくと便利です。

「眼が疲れたおじさん」をイメージしてみてください。どんなことをやっていますか?片手の親指と人差し指で目頭を押さえるポーズを思い出された方もおられるんじゃないでしょうか。いかにもオヤジ、というあのしぐさなんですけれど、実は理にかなっているのです。オジサンが押さえる辺り、「涙骨」という骨があります。眼が疲れた人の涙骨を私たちプロのセラピストが調整するときも、基本同じことをします。ただ、オジサンが涙骨を押さえるのはせいぜい十数秒だと思うのですけれど、涙骨の緊張を緩和しようと思ったら二分くらい押さえておいてください。それだけでずいぶん楽になります。

眼の疲れをいやす、という触れ込みの温熱器具があります。レンジで温めて眼に載せるタイプの温熱器具がたくさん薬局で売られています。でもね、どんな器具よりも効くものがあります。あなたの掌です。掌を一分間くらいこすり合わせます。それから中央の少しくぼんだ所を眼球に当てます。眼はつぶっていて大丈夫です。そのまま数分間、掌を眼玉に当てておきます。どうですか、眼の疲れが楽になっていませんか。ひどく眼が疲れているときは充血することもありますけれど心配ありません。

掌からはごくわずかな磁気が出ているそうです。掌を当てることでその磁気に赤血球中の鉄分が引き寄せられて、眼の血行が改善すると説明されています。仕事で眼が疲れたときはもちろん、お休み前にやってもらってもいいです。たぶん気が付かないうちに眠ってしまっていると思います。

東洋医学では眼と肝臓は関係が深いといわれています。肝臓が疲れると眼に十分な血液がいきわたらなくなって、その結果、眼がかすんだりぼやけたりドライアイになったり、という症状が起きるといいます。肝臓の疲れをとるためのセルフケアもやっぱり手を当てます。左の掌を自分の額の右側に当てます。右の掌を肝臓のあたりに当てます。そのまま数分間手を当てておきます。

掌を当てる、というと何か科学的でない治療のように思われがちですがそんなことはありません。よく言われるように「手当て」とは文字通り手を当てることでそのこと自体に治療効果があります。掌から何らかのエネルギーが患部に流れているのは間違いないと思います。

手技療法の世界ではこの、「掌を当てる」施術のことを「パーミング」と呼びます。眼だけでなく、例えば顎関節などでも筋肉や頭蓋骨の調整のあと、掌を当てることがあります。そうやって調整した骨や軟部組織を「なじませる」行為が「パーミング」であると教わりました。日本語の「手当て」に該当する英語はallowance、 treatment、 medical care、などが使われています。 palmを動詞で使うときは「いかさまや手品のためにトランプやさいころを手の中に隠す」とか、「こっそり渡す」とかいう意味が充てられます。手技療法で患部に手のひらを当てる行為に「palming」という言葉を充てた人は、日本語の「手当て」のニュアンスを表現したかったのでしょうか。

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